この記事の要約はこちら
・個人年金保険は老後の資金を貯蓄する際に活用できる保険
・確定年金、有期年金、終身年金の大きく3種類に分けられる
・生命保険料控除を受けられるなどのメリットがあるが、インフレで価値が目減りする可能性があるなどのデメリットもある
・加入する際は、保険料の払込方法や運用費用・通貨で選ぶことが大切
老後の生活資金に不安があり、個人年金保険の加入を検討している人もいるでしょう。
個人年金保険は、ゆとりある老後の生活を支えるための貯蓄型保険です。
個人年金保険にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
本記事では、個人年金保険の種類と運用方法、保険に加入するメリット・デメリット、保険の選び方をわかりやすく解説します。
自分や家族の状況に合わせた保険選びに役立ててください。
この記事の目次
個人年金保険とは
個人年金保険は、計画性を持って老後の生活に必要な資金を準備できる保険です。
公的年金や企業年金を受け取ったとしても、老後に必要な生活資金を十分に賄いきれない場合に、不足する資金を補う役割を担っています。
個人年金保険は一定期間に保険料の支払いを行い、所定の年齢を迎えると保険料に応じた年金を受け取ることができます。
保険料の支払いは、払込期間に支払う月払い・半年払い・年払いなどの分割払いと、契約したときにまとめて支払う一括払いがあります。
公的年金(国民年金・厚生年金)との違い
日本の年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」、「個人年金・個人型の確定拠出年金」の3種類あります。
年金制度の構造は、建物になぞられて3階建てと呼ばれています。
1階は国民年金、2階は厚生年金、3階は個人年金・個人型の確定拠出年金に加えて、組織が運営する企業年金です。
以下の表にまとめました。
| 年金の種類 | 主な加入対象者 | |
| 3階 | 個人年金・個人年金保険・企業年金など | 企業・団体に属する従業員 |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員、公務員など |
| 1階 | 国民年金 | 20歳~59歳までのすべての国民 |
1階と2階は社会保障制度に基づいて運営されており、公的年金と呼ばれています。
国民年金はすべての国民が加入する年金制度です。
一方、厚生年金の対象者は会社員、公務員に制限されており、自営業・フリーランスは対象外です。
iDeCoは、日本在住の原則65歳未満の人が加入できます。
私的年金への加入は義務ではありませんが、国民年金、厚生年金の公的年金だけでは老後の生活資金を賄えないと考えられる場合には、個人年金保険などの3階に該当する年金に加入して将来のリスクに備えることも一つの方法です。
個人年金保険には3つの種類がある
個人年金保険は、確定年金・有期年金・終身年金の3種類があります。
それぞれの特徴を以下で解説します。
・有期年金
・終身年金
個人年金保険の種類1:確定年金
確定年金は被保険者の生死に限らず、受取期間に年金が支払われる保険です。
年金を受け取れる期間は5〜15年程度としている商品が一般的です。被保険者が亡くなった場合、遺族などの相続人に死亡給付金または残りの年金と同等の金額が支払われます。
相続人は、一時金もしくは年金のいずれかの受取方法でお金を受け取ります。
個人年金保険の種類2:有期年金
有期年金は、被保険者が生存している場合、受取期間に年金が支払われる保険です。
被保険者が生存する場合は5〜15年程度、年金を受け取れます。
一方、年金の受取期間に被保険者が亡くなった場合は、一部の保険を除き、ほとんどの有期年金で受給が終了します。
確定年金との違いは、被保険者が亡くなると相続人に年金が支払われない点です。
個人年金保険の種類3:終身年金
終身年金は、被保険者が生存し続ける限り年金が支払われる保険です。
被保険者の死亡後の補償は、保険の種類によって異なります。
一般的な終身年金の場合、被保険者が年金の受取期間に亡くなると、有期年金と同様に支払いは終了しますが、保証期間を設定している保険は相続人に年金が支払われます。
個人年金保険に加入するメリットを解説
個人年金保険に加入した場合、将来必要になる生活資金を準備できる、生命保険料控除が受けられるなどのメリットが得られます。
・将来必要になる生活資金を計画的に準備できる
・健康状態に不安がある人でも加入しやすい
・生命保険料控除が受けられる
将来必要になる生活資金を計画的に準備できる
保険会社に払い込む保険料は、原則契約時に決められた払込期間が終了するまで引き出せません。
このため、銀行口座や定期預金などを利用してお金を貯めてもすぐに引き出して使い果たしてしまうなど、計画的な貯金が苦手な場合でも、個人年金保険は老後の生活に必要な資金を計画的に貯蓄できるので安心です。
個人年金保険を活用すれば、毎月一定額を積み立てられる上に、途中で引き出せないので将来のための資金を安定的に準備できます。
万が一、まとまった資金が必要になった場合は、解約すれば解約返戻金を受け取れます。
健康状態に不安がある人でも加入しやすい
個人年金保険の多くは、持病や既往症がある人など、健康状態に不安がある人でも加入しやすくなっています。
なぜなら、個人年金保険では払い込み保険料を上回る死亡保険金が支払われることは稀であり、職業告知のみで加入できる商品が多くなっているからです。
告知や診査不要で加入できることも多いので、終身保険や養老保険など、他の貯蓄性のある生命保険と比べても加入しやすい傾向があります。
生命保険料控除が受けられる
個人年金保険で支払った保険料は、生命保険料控除の対象になる場合があります。
生命保険料控除とは、生命保険や個人年金保険などで支払った保険料の合算額を申請することで一定額の所得控除を受けられる制度です。
所定の条件を満たした場合は、年末調整または確定申告で申請すると個人年金保険料控除を受けられます。
個人年金保険料控除は生命保険料控除の一つで、条件に満たない場合でも生命保険料控除が適用されるため、所得税や住民税の負担を減らせます。
保険料控除の条件を確認しよう
個人年金保険料控除の所定の条件は、次のとおりです。
- 1,契約者または配偶者が年金受取人である
- 2,年金受取人は被保険者と同一人物である
- 3,払込期間が10年以上ある
- 4,確定年金・有期年金:受給開始が60歳以降で、年金の受取期間は10年以上である
3の要件を満たさない一時払いの個人年金保険は、個人年金保険料控除の対象から外れます。
また変額年金は生命保険料控除に分類されています。いずれのケースも生命保険料控除で申請しましょう。
次に、新制度の年間支払保険料・控除額の金額を所得税と住民税に分けて一覧表にまとめました。
【所得税】
| 年間に支払った保険料 | 控除される金額 |
| 80,001円以上 | 一律で40,000円 |
| 40,001円~80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 20,001円~40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 20,000以下 | 支払保険料等の全額 |
【住民税】
| 年間に支払った保険料 | 控除される金額 |
| 56,001円以上 | 一律28,000円 |
| 32,001円~56,000以下 | 支払保険料等×1/4+14,000円 |
| 12,001円~32,000円以下 | 支払保険料等×1/2+6,000円 |
| 12,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
※所得税、住民税ともに新制度における年間の支払保険料等・控除額
ちなみに、保険は契約した年によって、新制度と旧制度のどちらかに分類されます。
2011年以前に契約した保険は旧制度の対象となり、新制度と年間の支払保険料等・控除額の金額が異なるので注意してください。
参考:税金に関するQ&A|公益財団法人 生命保険文化センター
個人年金保険に加入した場合のデメリットとは
個人年金保険に加入した場合、インフレで年金の価値が目減りするなどのデメリットがあります。
具体的な内容を確認しましょう。
・・インフレで価値が目減りする可能性がある
・途中解約すると元本割れする可能性がある
・受け取る年金は課税対象
インフレで価値が目減りする可能性がある
個人年金保険は、払込期間が10年以上と長期間にわたることがおおいため、保険料を支払っている期間中に物価が上昇してインフレが発生するとお金の価値が下がり、将来受け取れる年金額の価値が目減りするデメリットがあります。
以下の例でインフレが起きた場合の年金額への影響を確認してみましょう。
- 支払った保険料:400万円
- 返戻率:103%
- 受け取り予定の年金額:412万円
- インフレ後の貨幣価値:インフレ前の80%
412万円×80%=約330万円
実質的には支払った保険料よりも受け取る年金額の方が下回ってしまうことになります。
途中解約すると元本割れする可能性がある
年金受け取り開始前に個人年金保険を途中解約すると、解約返戻金が払い込んだ保険料を下回ることがあります。
解約返戻金は契約後の経過年数に応じて決まるので、契約直後に解約した場合などは、受け取れるお金がほとんどない場合もあります。
なお、個人年金保険の中には、解約返戻金や死亡保険金を少なくする代わりに、受け取る年金を多くしている「トンチン年金」と呼ばれる商品もあります。
受け取る年金は課税対象
個人年金保険で受け取る年金は、所得税もしくは贈与税のいずれかが課税されます。
収入が発生すれば税金が課せられますが、誰がどのような方法で年金を受け取ったのかによって、課税される税金の種類は異なります。
一覧表に例をまとめたので確認しておきましょう。
| 契約者 | 年金受取人 | 年金の受取方法 | 課税される税金 |
| 本人 | 毎年年金を受け取る | 所得税(雑所得) | |
| 本人 | 一括で年金総額を受け取る | 所得税(一時所得) | |
| 本人 | 配偶者 | ―(税金の種類は受取方法に影響されない) | 贈与税 |
たとえば、契約者と年金受取人が同一人物で、毎年年金として受け取る場合は雑所得に該当するため所得税が課税されます。
また契約者と年金受取人が同一人物で、年金の総額をまとめて受け取る場合は一時所得の扱いになり、所得税が課税されます。
ただし契約者と年金受取人が異なる場合に課税される税金は、所得税ではなく贈与税です。その理由は、契約者が積み立てた年金が配偶者に贈与されるからです。
どの個人年金保険に入るべき?選び方を紹介
個人年金保険は、種類・払込方法・運用費用・運用通貨・返戻率から選ぶことができます。
選び方を以下で解説します。
・年金の受取期間で選ぶ
・運用方法で選ぶ
・保険料の払込方法で選ぶ
・運用にかかる費用の金額で選ぶ
・運用通貨で選ぶ
・返戻率で選ぶ
年金の受取期間で選ぶ
個人年金保険には確定年金、有期年金、終身年金の3種類があります。
確定年金は被保険者の生死にかかわらず、被保険者もしくは相続人が年金を受け取れます。
有期年金は年金の受取期間中に被保険者が亡くなった場合のみ、年金の支払いが打ち切られる保険です。
終身年金は被保険者の生存時のみ年金が受け取れます。
家族の状況や年金を受け取る期間などを踏まえた上で、自分・家族に合う保険を選ぶことをおすすめします。
運用方法で選ぶ
個人年金保険の運用方法は、定額年金と変額年金の2種類があります。
定額年金は、保険料を原資に保険会社が投資を行い、運用実績にかかわらず契約時に決められた年金を受け取れる保険です。
万が一運用が不調であっても、受取金額が減る心配がないため老後の生活の資金計画が立てやすくなります。
月払い・年払いを選んだ場合は、所得税や住民税の控除を受けられます。
ただし、物価の上昇によってお金の価値が下がると、受け取る金額は同じでも実際の価値は目減りするかもしれません。
変額年金は、被保険者が投資商品を選び、自分で運用し、運用実績に基づいた年金額を受け取れる保険です。
運用実績が良好で、大きな利益を得られれば将来受け取れる年金額が増える可能性があります。
また運用益が増えると年金額も上がるため、物価の上昇に強いことも魅力です。
ただし、年金や死亡給付金の最低保証がなく、支払った保険料よりも受け取れる年金額が減るリスクもあるので、老後の生活の資金計画は立てにくくなる可能性があります。
保険料の払込方法で選ぶ
個人年金保険は、保険料を支払う方法で選ぶことができます。
払込方法は一括払いと分割払いがあり、分割払いは年払い、半年払い、月払いの3種類です。
どの払込方法を選ぶかによって、年金の返戻率は変わります。
たとえば、一括払いを選んだ場合は支払う保険料の総額を抑えられるため、分割払いと同額の年金を受け取ったとしても返戻率は高くなります。
ただし支払う保険料の金額が高くなるほど家計を圧迫する可能性もあるので、家計の状況やライフスタイルに合わせて選びましょう。
運用にかかる費用の金額で選ぶ
変額年金に加入する場合は、自分で投資商品を選び、自ら運用しなければならない上に、保険料の支払い以外に諸経費がかかります。
たとえば、次のような費用が挙げられます。
- 契約初期費用
- 運用関係費用
- 年金管理費用など
運用関係や年金管理などにかかる費用は長期にわたって支払わなければならない場合もあるため、事前にいくら必要になるのか確認しておきましょう。
運用通貨で選ぶ
一般的な個人年金保険で取り扱われている運用通貨には、以下の種類があります。
- 円建て
- 外貨建て(米ドル、ユーロなど)
円建ては、事前に将来受け取れる年金額を確認しておけるため、将来の資金計画が立てやすいでしょう。
ただし日本は金利が低いので、後述する外貨建てよりも運用成果は期待できません。
一方で、日本よりも金利が高い外貨建ての保険なら、円建てよりも保険料を安く抑えられます。
為替相場の状況や運用実績によって利益が増える可能性があります。
しかし外貨を日本円に交換する際は、為替手数料を負担しなければなりません。
返戻率で選ぶ
返戻率とは、将来受け取れる年金の総額を示す割合のことです。
支払った保険料の総額に返戻率を乗じることで、将来支払われる年金の総額を計算できます。計算式は次のとおりです。
支払った保険料の総額×返戻率(%)=将来受け取れる年金の総額
たとえば、支払った保険料の総額が300万円で、返戻率が105%だった場合は、次のように計算でき、将来受け取れる年金の総額は315万円です。
300万円×105%=315万円
ただし返戻率は、保険会社や個人年金保険の種類によって設定されている割合が異なります。
そのため、加入前に複数の個人年金保険を比較検討しましょう。
自分や家族に合う個人年金保険をどのように選べばいいのかわからない場合は、保険のプロに相談するのも一つの方法です。
個人年金保険の利用をおすすめする人
次の項目に該当する人は、個人年金保険の利用がおすすめです。
老後に必要な資金を着実に準備したい人
老後の生活費に不安を感じており、必要な資金を着実に準備したい方には、個人年金保険への加入がおすすめです。
貯蓄がなかなか続かない方でも、保険料を口座振替やクレジットカードでの支払いにすれば、半ば強制的に老後資金を溜められます。
途中解約すると元本割れする可能性がある点も、貯蓄を続けるモチベーションにつながりやすいでしょう。
自分で資産運用をするのが不安な人
資産運用に関心があるものの、自分で株式や投資信託を選ぶのは難しいと感じる人にも、個人年金保険は向いています。
多くの個人年金保険は、保険会社が契約者から預かった保険料を運用します。最終的に受け取れる年金額は契約時に確定しているので、一定の利回りが保証されていると言い換えることもできるでしょう。
リスクを抑えながら長期的に資産を増やすことができ、運用の手間も省けます。
余剰資金がある人
毎月の生活費や貯金に余裕があり、余剰資金を効率的に運用したいと考えている人にも個人年金保険はおすすめです。
余剰資金を一時払いでまとめて支払い、長期間運用することで、まとまった年金を将来受け取れます。
個人年金保険とは、老後資金を計画的に準備できる保険
個人年金保険は、老後の生活資金を計画的に準備したい場合におすすめの保険です。
確定年金・有期年金・終身年金の3種類があり、保険会社や保険の種類によってメリット・デメリットが異なります。
また、選ぶ個人年金保険の種類によっては、支払った保険料よりも受け取れる年金額が減るリスクもあるので、複数の保険の比較検討とFPに相談することをおすすめします。
みんなの生命保険アドバイザーは、2,500名以上の保険専門家であるFPと提携しており、希望に合った担当者をマッチング・紹介してくれるサービスです。
25万件以上の相談実績を誇っており、相談の満足度は96%と高い評価になっています。
納得できるまで何度でも無料で相談でき、オンライン相談にも対応しています。
担当者の変更や中断をWEBサイトから連絡できる「ストップコール制度」もあり、担当者との相性に不安を感じた場合にも気軽に変更手続きを行うことも可能です。
また同性のFPを希望することも可能(※1)で、同性にしかわからない悩みや気になることでも気軽に相談できます。
今なら相談と相談後に送られてくるアンケート回答で、ミスタードーナツ ギフトチケット(1500円)がもらえるキャンペーンを実施しています。
ぜひ一度、無料で相談してみましょう。
(※1):申込み後の相談内容回答の際に希望可能。希望が承れない場合もあり。
マネモのおすすめ保険相談サービスはこちら!
