この記事の要約はこちら
・資産運用は余裕資金で行うことが大切
・運用目的や目標金額を明確にすると運用額が決まる
・初心者には投資信託・株式・債券・貯蓄型生命保険がおすすめ
・NISAやiDeCoなどの非課税制度を使うとお得に投資できる
「資産運用はいくらから始めるのがいい?」「どのくらいの資金が貯まったら、資産運用を始められるの?」こんな悩みをかかえていませんか。
結論をお伝えすると、資産運用はいくらからでも始められます。
たとえば投資信託は月100円ほどの少額からでも運用が可能です。
ただし最適な資産運用の金額は人によって異なるため、初めに運用額の決め方を学ぶことをおすすめします。
この記事では資産運用の基本的な内容について解説します。
この記事を読んでわかること
・運用額の決め方
・初心者におすすめの資産運用
・お得に運用できる非課税制度
最後まで読むことで、自分にあった資産運用を始められるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
資産運用はいくらから?運用額の決め方3ステップ
資産運用はいくらから始めるべきなのでしょうか。
最適な運用額は下記の3ステップで決められます。
②運用目的と目標金額を決める
③運用する金融商品を選ぶ
ステップ①資産を3つに分ける
資産運用を始めるときは、まず自分の資産を下記の3つに分けて、余裕資金を把握しましょう。
| 資産の種類 | 内容 |
| 生活資金 | 近いうちに使う予定のお金 |
| 緊急予備資金 | 病気や失業など万が一のためのお金 |
| 余裕資金 | しばらく使う予定のないお金 |
「生活資金」は生活費や住宅費など、すでに使いみちが決まっているお金です。
「緊急予備資金」は病気や失業など、もしものときに備えるお金を指します。
一般的には生活費の3〜6ヶ月分が目安です。
「余裕資金」とは、全資産から生活資金や緊急予備資金を差し引いたもので、しばらく使う予定がないお金のことです。
資産運用は損をする可能性もあるため、必ず余裕資金で行いましょう。
ステップ②運用目的と目標金額を決める
運用額を考える前に、運用目的と目標金額を決めることが大切です。
子どもの教育資金を確保することが目的なら、目標金額は1,000万円〜2,000万円になります。
老後資金を貯めたいなら、目標金額は2,000万円〜3,000万円が目安でしょう。
たとえば30年後に2,000万円を用意したいなら、毎月約35,000円を年利3%で積立運用する必要があります。
毎月の運用額は、金融庁の「資産運用シミュレーション」で計算が可能です。
運用目的と目標金額を明確にすると、運用期間や運用額がおのずと決まります。
ステップ③運用する金融商品を選ぶ
運用額が決まったら、目標金額を達成できるリターンの金融商品を選びます。
ただし金融商品はリターンが大きいものほどリスクが大きく、リターンが小さいものほどリスクが小さい傾向があります。
初心者はまずリスクの低い金融商品から始めるのがおすすめです。
金融商品を選ぶときは、自分のリスク許容度にあった商品を選ぶことも大切です。
リスク許容度とは、どの程度の損失まで受け入れられるかという度合いのことで、年齢や家族構成、収入、性格などによって異なります。
| リスク許容度 | |
| 年齢 | 長く運用できる人は損失が出てもカバーしやすく、 リスク許容度が大きい傾向 |
| 家族構成 | 家族が少ない人は支出が少ないため、 投資に回せるお金が多くリスク許容度は大きい傾向 |
| 収入 | 収入が多い人やこれから増えていく人は、 投資に回せるお金が多くリスク許容度が大きい傾向 |
| 性格 | 資産が減ることに抵抗がある人は、 リスク許容度が小さい傾向 |
自分のリスク許容度と金融商品のリスク・リターンを比較して、金融商品を選びましょう。
【初心者向け】おすすめの資産運用4選
金融商品には大きく利益を狙うものから、安定的に資産を増やすものまでさまざまです。
ここでは初心者におすすめの資産運用を紹介します。
②株式
③債券
④貯蓄型生命保険
| 平均利回り | リスク | 必要な金額 | |
| 投資信託 | 3~5% | 中 | 100円~ |
| 株式 | 5~10% | 高 | 約10万円~ |
| 債券 | 1~3% | 低 | 1万円~ |
| 貯蓄型生命保険 | 0.5~1% | 低 | 毎月約1万円~ (30歳男性・死亡保険金1,000万円の場合) |
おすすめ資産運用①投資信託
投資信託は株式・債券・不動産など、さまざまな投資先が組み込まれた金融商品です。
100円からでも投資できるため、気軽に始められます。
またファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、投資先の選定から運用まで行うので、知識のない初心者でも安心です。
なお投資信託は販売手数料・信託報酬などの手数料がかかります。
| 名称 | 支払時期 | 内容 |
| 販売手数料 | 購入時 | 購入時に販売会社に支払う費用 |
| 信託報酬 | 運用中 | 投資信託の運用・管理にかかる費用 |
| 監査報酬 | 運用中 | 決算ごとの監査に必要な費用 |
| 売買委託手数料 | 運用中 | 株式や債券の売買にかかる費用 |
| 信託財産留保額 | 売却時 | 売却時に信託財産に留保される費用 |
このなかで注意すべき手数料は信託報酬です。
信託報酬の目安は0.5〜2.5%とファンドによって差があり、運用期間が長くなるほど影響が大きくなります。
信託報酬を抑えたいなら、インデックス型と呼ばれる、経済指標と連動して運用されるファンドを選ぶとよいでしょう。
投資信託については、こちらの記事で解説をしています。
投資信託はやめたほうがいいって本当?デメリットや失敗しないためのポイントを解説!
おすすめ資産運用②株式
株式会社が資金を集めるために発行する有価証券が株式です。
基本的には株価の低いときに購入し、株価が上がってから売却することで利益を狙います。
株主になると、企業が得た利益の一部が配当金として得られるのが一般的です。
また株主優待と呼ばれる、自社の商品やサービスを提供する制度を設けている企業もあります。
株式投資は基本的に数十万円から数百万円の資金が必要ですが、銘柄によっては数万円での購入も可能です。
また通常は100株単位で売買しますが、100株未満で買える単元未満株やミニ株を扱っている証券会社もあります。
株式投資は企業の業績や経済情勢により価格が変動しやすい金融商品です。
下記のポイントで選ぶと、比較的安定した利益を得やすいでしょう。
おすすめ資産運用③債券
債券とは国や地方公共団体、企業が資金を集めるために発行する証書です。
債券を購入すると、あらかじめ決まった利率で利息が受け取れます。
また満期になると額面金額が戻ってきますが、債券価格の上がったタイミングで売却することも可能です。
基本的に市場の金利が上がれば債券価格は下がり、反対に金利が下がれば債券価格が上がる傾向にあります。
債券投資は1万円から購入できリスクの低い金融商品ですが、発行体が破綻すると元本割れする可能性があります。
国や地方公共団体は破綻するリスクが低いため、安定的に運用したいなら公共債を選ぶとよいでしょう。
おすすめ資産運用④貯蓄型生命保険
生命保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類があり、貯蓄型生命保険は払い込んだ保険料が戻ってきます。
30歳男性が死亡保険金1,000万円で終身保険に加入した場合、毎月の保険料は約1万円〜です。
商品によっては払い込んだ保険料以上のお金が返ってくることもあります。
万が一の保障を確保しながら、資産運用にも活用できるのが魅力です。
ただし生命保険は途中で解約すると、返戻金が払い込んだ保険料を下回る可能性があります。
保険料の払込期間中は資金を引き出しにくいため、継続して支払える保険料水準にしておくことが大切です。
お得に資産運用ができる非課税制度2選
投資信託や株式への投資で得た利益には、通常20.315%の税金がかかります。
NISAやiDeCoなどの制度を利用すれば、税金がかからず、お得に資産運用ができます。
NISA|フレキシブルな資産運用が可能
NISAとは、投資信託や株式への投資で得られた利益が非課税になる制度です。
たとえば株式投資で50万円の利益が出た場合、通常は約10万円の税金を納める必要がありますが、NISAを使うと0円です。
投資した資金はいつでも引き出せるため、状況に応じて柔軟に運用できます。
NISA制度の詳細は以下のとおりです。
| 旧NISA(2023年12月31日まで) | 新NISA(2024年1月1日以降) | |||
| つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
| 非課税保有期間 | 20年 | 5年 | 無期限 | 無期限 |
| 年間投資可能額 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 20年間で800万円 | 5年間で600万円 | 1,800万円 ・成長投資枠は1,200万円まで ・商品を売却すると、翌年にその分の簿価(購入価格)が 非課税枠として復活 |
|
| 対象商品 | 投資信託 | 投資信託 上場株式 |
投資信託 | 投資信託 上場株式 |
| 制度の併用 | 併用不可 | 併用可 | ||
| 資金の引き出し | いつでも可能 | |||
出典:金融庁「新しいNISA」
2024年に制度が新しくなり、非課税で保有できる期間が無期限になりました。
投資上限額も1,800万円まで増えたため、NISAを活用すればお得に資産運用ができます。
iDeCo|定年後の生活費を貯めるのに最適
iDeCoは毎月掛金を積み立てて老後資金を準備する年金制度です。
掛金は月5,000円から1,000円単位で設定でき、自分で選んだ金融商品で運用できます。
| 国民年金保険の被保険者種別 | 第1号被保険者 (自営業) |
第2号被保険者 (会社員・公務員) |
第3号被保険 (専業主婦(夫)) |
|
| 年間投資上限額 | 81.6万円 | 14.4万円~27.6万円 | 14.4万円 | |
| 最低投資金額 | 月5,000円以上 | |||
| 非課税保有期間 | 受給開始まで | |||
| 対象商品 | 投資信託、保険、定期預金など | |||
| 税制優遇 | 拠出時 | 掛金が全額所得控除の対象 | ||
| 運用時 | 運用益が非課税 | |||
| 受取時 | ・一時金受取なら退職所得控除 ・年金受取なら公的年金等控除 |
|||
| 資金の引き出し | 原則60歳になるまで不可 | |||
出典:iDeCoパンフレット
iDeCoは拠出時・運用時・受取時に税制メリットを受けられるのが特徴です。
掛金は全額所得控除の対象になるため、所得税・住民税の負担が軽くなります。
具体的な節税金額は「かんたん税制優遇シミュレーション」で試算が可能です。
運用期間中の利益には税金がかかりません。
積み立てたお金は一括または分割で受け取れ、いずれも一定額まで非課税です。
一時金受取なら退職所得控除、年金受取なら公的年金等控除の対象になります。
月3万円で資産運用した場合のシミュレーション
ここからは少額で長期間、資産運用した場合のシミュレーションを見ていきましょう。
毎月3万円ずつ積み立てると、運用額は以下のようになります。
| 運用期間 | 10年 | 20年 | 30年 |
| 年利0%(運用なし) | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 |
| 年利3% | 419万円 | 985万円 | 1,748万円 |
| 年利5% | 466万円 | 1,233万円 | 2,497万円 |
| 年利7% | 519万円 | 1,563万円 | 3,660万円 |
※年1回の複利で計算しています。
※計算結果は千円単位で四捨五入しています。
運用しなければ1,000万円貯めるのに30年かかるところ、年利5%で運用すると20年で貯まることが分かります。
資産運用は元手資金が大きく、利率が高く、運用期間が長いほど、利益が出やすいのが特徴です。
資産を増やしたいなら、できるだけ早く投資を始めましょう。
資産運用が重要な3つの理由
資産運用が必要であることは、多くの人が理解しているでしょう。
ここでは資産運用がなぜ必要なのかをご説明します。
・預金だけでは資産が増えにくいから
・インフレの影響でお金の価値が下がるから
・十分な年金がもらえるか分からないから
理由①預金だけでは資産が増えにくいから
近年日本の金利は低くなっており、預金だけで資産を大きく増やすことは不可能です。
現在の銀行の定期預金金利は0.002%程度となっており、100万円を1年間預けても利息が20円しかつきません。
お金を効率的に増やすためには、資産運用が不可欠といえます。
理由②インフレの影響でお金の価値が下がるから
インフレとは物の価値が上がり、相対的にお金の価値が下がる現象です。
資産運用をしていないと、持っているお金の価値が目減りしてしまいます。
直近で日本政府は「インフレ率2%」を目指していますが、これは1年間で2%物価が上がるようコントロールしようという政策です。
実現すれば今まで100円で買えたものが、102円出さないと買えなくなってしまいます。
インフレの影響を避けるためには、物価上昇率よりも高い利回りで資産を増やすことが必要です。
理由③十分な年金がもらえるか分からないから
老後の生活費を年金でまかなおうと考える人もいるでしょう。
しかし年金支給額は減少傾向にあります。
2022年度の公的年金支給額は、2021年度と比較して0.4%引き下げられました。
主な原因は、少子高齢化により年金制度を支える若年層が減少しているためです。
年金受給開始年齢も、今後さらに後倒しになると予想されています。
現代では資産形成などにより、自ら老後の生活に備えることが求められています。
資産運用で失敗しないためのポイント3つ
投資初心者の中には、資産運用で失敗しないか不安に感じる人もいるでしょう。
資産運用で失敗しないためには「長期」「積立」「分散」を意識することが重要です。
それぞれのポイントを解説します。
・積立投資をする
・投資先を分散する
ポイント①長期で運用する
金融商品は日々価格が変動するため、短期的には損をする可能性があります。
しかし長期にわたって運用することで、価格変更リスクを軽減できます。
例えば1989年から2016年まで先進国株式に投資した場合、期間ごとのリターンは下記のとおりです。
| 運用期間 | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
| リターン | -40.3~33.8% | -16.4~22% | -2~20.2% | -0.2~12.4% |
出典:三菱UFJアセットマネジメント
※先進国株式:MSCIワールドインデックス
運用期間が長くなるにつれてリターンの変動が小さくなっていることが分かります。
長期で運用することは、資産運用で失敗しないための鉄則といえます。
ポイント②積立投資をする
積立投資とは、金融商品を毎月一定額で購入するものです。
購入する銘柄や金額を最初に設定しておけば、その後は自動的に買い付けが行われるため、タイミングに迷うことがありません。
購入金額が一定であるため、価格が高いときには少ない口数しか購入できませんが、価格が低いときには多くの口数を購入できます。
購入のタイミングを分散することで、取得金額の平準化が期待できます。
もしも価格が下がったときに一括投資をすれば、積立投資よりも多くの利益が得られるでしょう。
しかしそのタイミングを見極めることは専門家でも難しく、コツコツと積立投資をするほうが、結果的に有利となります。
ポイント③投資先を分散する
金融商品の種類や投資先の国を分散することで、リターンを平準化することが可能です。
たとえば特定の投資信託だけに投資した場合、その銘柄の運用成績が悪くなると、資産全体が減ってしまいます。
異なる銘柄の投資信託や株式、債券などを組み合わせることで、一部の商品の運用成績に大きく影響されるリスクを減らせます。
値動きの異なる金融商品をバランスよく組み合わせることが大切です。
資産運用する際の注意点3つ
資産運用する際は、次の3つの注意点を意識しましょう。
・預金だけでは資産が増えにくいから
・インフレの影響でお金の価値が下がるから
・十分な年金がもらえるか分からないから
注意点①すぐに現金化しにくい
投資信託や株式などの金融商品は、毎日価格が変動するのが特徴です。
そのため急に現金が必要になった場合、希望の価格で売れない可能性があります。
また運用期間が浅いうちは、リターンが安定せず、一時的に損失が生じることもあります。
資産運用では急な現金化が難しいことを理解しておきましょう。
注意点②資産が増えるまで時間がかかる
暗号資産やFXなどリスクの高い金融商品は、短期間で利益を得られる可能性がありますが、大きな損失が生じる可能性もあります。
一方リスクを抑えながらお金を増やすには、長期的な運用が必要です。
ある程度の資産になるまで、時間がかかることを認識しておきましょう。
暗号資産(仮想通貨)や株式、貴金属といった資産形成に興味がある方は、「投資の美学 ~クリプト≒フリプト~」で詳しい解説をしています。
投資の美学 ~クリプト≒フリプト~
注意点③元本割れする可能性がある
預貯金の場合は、預け入れたお金よりも資産が減ることがありません。
しかし、投資信託や株式などの金融商品は価格が変動するため元本割れする可能性があります。
元本割れとは、資産の価値が投資したお金を下回る状態です。
資産が減る可能性を考慮して、余裕資金の範囲で資産を運用することが大切です。
自分にあった資産運用方法で将来に備えよう!
資産運用は少額からでも始められます。
リスクの少ない金融商品もあるため、初心者でも始めやすいでしょう。
ただし基本的に元本は保障されていないため、余裕資金の範囲で投資することが大切です。
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