この記事の要約はこちら
・預金が1000万円以上に達したらペイオフとインフレリスクがあることを覚えとく。
・ペイオフ制度とは、金融機関が破綻した際、一定額までの預金が保護されること。
・1000万円以上貯まったら、資産運用を検討してみるのもよし。
お金を銀行などの金融機関に預けている人も多いでしょう。
預金額が増え続けると仮定したときに考えたいのが、このまま1つの口座で預金を続けるかどうかです。
特に預金が1000万円以上になると、リスクを考えて預金をこのまま続けるべきか、口座を分けるべきか考える必要があります。
この記事では、預金1000万円以上で知っておくべきこと、預金1000万円以上になったときの対策をまとめました。
この記事の目次
預金が1,000万円を超えている人はどのくらいいる?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、預貯金を含む金融資産保有額が1,000万円以上の世帯の割合は以下の通りです。
- 単身世帯:21.9%
- 二人以上世帯:31.2%
また、年代別の預貯金の保有額(平均)は以下の通りです。
| 単身世帯 | 二人以上世帯 | |
| 20代 | 118万円 | 170万円 |
| 30代 | 443万円 | 408万円 |
| 40代 | 473万円 | 501万円 |
| 50代 | 839万円 | 663万円 |
| 60代 | 972万円 | 1,130万円 |
| 70代 | 929万円 | 964万円 |
預金1000万円以上は危険?3つのリスクとは
預金が1000万円以上に達するときに知っておきたいのが、ペイオフ制度とインフレリスクです。
ペイオフの対象になる
ペイオフとは「預金保護制度に基づいて、金融機関が破綻した際に一定額まで預金の保護を受けられる制度のこと」です。
ペイオフ制度で保護を受けられるのは普通預金や当座預金などの決済用預金などで、外貨預金などの一部の預金は保護の対象外となっています。
預金が1000万円以上の場合に「ペイオフ制度」を知っておいた方が良い理由は、利息のつく、一般的な普通預金におけるペイオフ制度の保護上限が1000万円だからです。
法人や個人事業主が利用する決済用預金については全額保護対象になりますが、普通預金や定期預金、定期積金などの一般預金については、1金融機関ごと1人あたり「元本1000万円+破綻日までの利息等」が保護の対象です(出典:金融庁「預金保険制度」)。
2010年には、日本振興銀行が破綻した際に初めてペイオフが発動されました。
このケースにおいては、ペイオフの措置が終了するまでに6年8ヶ月かかり、最終的には41億円がペイオフの保護対象外であるとしてカット(預金者へ支払われなかった)されています。
インフレによって資産価値が目減りする
預金利息は低金利が続いていますから、この先、インフレ、つまり物価の上昇が起これば、物価に合わせて金利も上昇するはずです。
しかし、急激なインフレになったとき、物価の上昇に金利の上昇が追い付かないことがあります。
金利の上昇が追い付かないということは、その分、預金していたお金の価値が実質的に目減りするということです。
資産のほとんどを預金しており、しかもその額が1000万円以上あるとなると、インフレにともなって損をする可能性もあります。
「お金を増やす機会」を逃してしまう
銀行預金のみを頼りにしていると、効率よく運用していれば得られたはずの利益を逃してしまう、いわゆる「機会損失」のリスクがあります。
2025年11月時点で、普通預金の金利は0.2%程度です。仮に1000万円を1年預けても、2万円程度の利息しか得られません。
一方で、投資信託(年利3〜5%程度)などで1,000万円を運用した場合、1年間で30万〜50万円増える計算になります。
1000万円という「元手」があるにもかかわらず、それを眠らせておくことは、「将来得られるはずだった数百万円」をみすみす捨てているのと同じと言えるかもしれません。
預金が 1000 万円以上になったら何をすべき?
口座の残高が1000万円以上になっても何の対策もせずにいると損をする可能性もあります。
預金が1000万円以上になった場合、次に取る行動として以下の3つが考えられます。
・そのまま貯め続ける
・口座を分ける
・投資を始める
そのまま貯め続ける
ペイオフは、あくまで預金口座のある金融機関が破綻した場合の話です。
大手金融機関が破綻する可能性は極めて低いですから、ひとまずペイオフ制度もインフレリスクも関係なしにそのまま同じ口座で貯め続ける方法もあるでしょう。
その際は大口預金を活用するのも一つの手です。
大口預金とは、1,000万円から預け入れ可能な大口の定期預金のこと。1ヶ月〜10年程度の期間にわたって預金ができます。通常の定期預金よりも高い金利が適用されるケースが多いようです。
ただし、さほど大きな利息は見込めません。また可能性が低いとはいえ、金融機関の破綻やインフレによる急な物価の上昇はまったくないとは言いきれないでしょう。
現状を見ると当面の間インフレの流れは変わらないと予想されるので、ペイオフやインフレによるリスクを考えると、同じ口座に貯め続けるのはあまりメリットがある方法とは言えないでしょう。
ペイオフのリスクを考えて口座を分ける
ペイオフ制度は、金融機関が破綻した場合に1金融機関につき1人あたり元本1000万円までの預金が保護される制度です。
このため、預金が1000万円を超えた場合のペイオフ対策には、複数の口座に預金を分散させることが有効です。
複数の口座に預金を分散させる方法には、以下のようなものがあります。
・事業用の決済用口座を用意する
・夫婦で口座を分ける
ただし、金融機関が合併した場合、分散させていた預金が統合してしまうかもしれません。
ペイオフのリスクを考えて複数の口座を作る場合、傾向が異なる金融機関を選ぶことが大切です。
投資を始める
低金利時代の今、1,000万円の定期預金をしても利息は年間でわずか100円程度。
預金額が増えても大した利息がつかないのは明白です。
預金が1000万円以上になったら、資産運用に目を向けて投資を始めてみましょう。
証券口座を開設して投資を始めることで、インフレ対策や老後の資産の準備を行うことができます。
証券口座の開設というと国内株式をイメージしやすいですが、国内株式以外にも幅広い金融商品の取引ができる証券口座がほとんどです。
株式以外にも、REITや投資信託、債券など、複数の金融商品に投資することで、リスクを分散しながら資産を育てることができます。
リスクの低い国債でも利回りは0.05%、ハイリスク・ハイリターンな株式への投資であれば5%以上のリターンも狙えるため、預金をするよりも大きく資産を増やせる可能性があるでしょう。
ただし、預金が1,000万円を超えたからといって慌てて投資を始めないように注意してください。
投資には元本を失うリスクがあるので、保有する資産全額を投じてしまうと、生活に大きな影響が出てしまう可能性があります。
数ヶ月分の生活費や、医療費など緊急時に備える費用などを差しいひた残りの金額で投資に取り組みましょう。
また、投資を始める際は「NISA」を活用するのがおすすめです。
NISA口座を利用して取引をすると、株や投資信託で得た利益に対して税金がかからなくなるので、効率的に資産形成ができます。
この記事だけでは、お金を今後どう扱っていけばわからないという方もいるかもしれません。
そんな人は、ぜひお金のプロであるFPに一度相談してみてはいかがでしょうか。
銀行預金が1000万円以上になると優遇を受けられる?
多くの銀行では、預金残高や取引状況に応じて顧客をランク付けする「優遇プログラム」を導入しています。
1,000万円以上の残高があると、最上位ランクやそれに準ずるランクに認定されることが多く、以下のようなメリットを受けられます。
・ATM手数料が無料: コンビニATMなどの利用手数料が月数回〜無制限で無料になる
・振込手数料が無料: 他行宛ての振込手数料が月数回無料になる
・金利の優遇: 定期預金の金利が上乗せされる
こうした優遇は日々の節約には役立ちます。 しかし、ATM手数料が数百円浮いたとしても、前述したインフレリスクや機会損失で数万円〜数十万円の損をしてしまっては本末転倒です。
優遇サービスを受けられるという理由だけで、必要以上の資金を普通預金に眠らせておくのは避けたほうがよいでしょう。
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預貯金が1,000万円を超えたら電話がかかってくる?
預金残高が1,000万円という大台を超えると、銀行から電話やダイレクトメールで連絡が来ることがあります。
この連絡には、主に2つの目的があります。
- 預金保険制度(ペイオフ)に関する案内: 保護対象外になることを伝えるため
- 資産運用のご提案: 資産分散やインフレ対策のアドバイスをするため
銀行は、顧客の大切な資産を守り、より効率的に運用するために、投資信託や保険商品などの情報提供を行ってくれます。
ただし、銀行が提案する商品が、必ずしもベストな選択肢とは限りません。
提案を聞く際は、あくまで一つの選択肢として捉え、「自分にとって本当に必要か」「リスクは許容範囲か」を慎重に検討することが大切です。
運用方法に悩んだ時は、お金のプロであるFPに相談してみるのも良いでしょう。
預貯金が1,000万円超えたら税金はいくらかかる?
預貯金そのものには税金はかかりません。
ただし、預貯金から発生した利息については、所得税20.315%(復興特別所得税を含む)がかかります。
この所得税は源泉徴収の対象です。
つまり、税金を差し引いたあとの利息を受け取っているので、預金者の方で特別な手続きは必要ありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?預金額が大きくなるほどインフレリスクは高まります。
さらに、預金が1000万円以上になるとペイオフのリスクも考えなければならないでしょう。
インフレのリスクに対策を立てつつ所有している資産を有効活用していこうと考えるなら、預金しておくだけでなく資産運用を行うという選択肢も前向きに検討してみるべきかもしれません。
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