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・家を建てるときにかかる初期費用とは、土地や建物の契約から引き渡しまでの間に現金で支払う費用のこと
・初期費用には頭金と手付金、諸費用などが含まれる。初期費用として用意すべき金額の目安は土地と建物の購入価格合計の約3割
・諸費用の中には、住宅ローンを利用する際の手数料や土地の仲介手数料、税金、登記費用など、さまざまな費用が含まれる
・これから家を建てる人はどのくらいの初期費用がかかるのか、必ずシミュレーションをしよう
初めて家を建てる方にとって、初期費用がどれくらいかかるのかは大きな不安材料になることもあるでしょう。
住宅を購入する際は、土地代や建築費だけでなく、各種手続きの手数料や税金などさまざまな費用が発生するため、計画的に資金を準備しておく必要があります。
今回の記事では、家を建てるときに知っておきたい初期費用の目安や内訳、初期費用を抑えるコツなどをわかりやすく解説します。
この記事の目次
家(注文住宅)を建てる時の初期費用と相場
家を建てる際の初期費用とは、土地や建物の契約から引き渡しまでの間に現金で支払う費用を指します。
これは頭金・手付金・諸費用で構成され、「自己資金」と呼ばれるケースが一般的です。
国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告書」によれば、土地を購入して新築した世帯の購入資金の平均は5,811万円、そのうち自己資金として支払った平均は1,685万円でした。
これは購入金額の約29.0%に相当し、一定の自己資金を準備している人が多いことがわかります。
頭金
頭金とは、物件価格の一部を最初に現金で支払うもので、住宅ローンを利用して購入する際に必要になります。
購入代金全額を借りるのではなく、一部を現金で支払うことで、住宅ローンの借入額を抑えることが可能です。
頭金の相場は、土地代金と建築費の合計の10〜20%程度とされています。
頭金がゼロでも借りられるローンもありますが、その場合は月々の返済負担が重くなり、オーバーローンのリスクも生じます。
オーバーローンとは、借入額が住宅や土地の購入価格を上回ることです。
オーバーローンの状態になっていると、物件を売却しにくくなったり、住宅ローンの借り換えをする際に審査で不利になったりする可能性があります。
手付金
注文住宅を建てる際には、契約の成立を前提に売主に支払う「手付金」が必要です。
手付金は買主が契約を解除する場合には放棄しなければならず、売主が解除する場合には倍額を支払う義務があります。
手付金の支払いは、土地の売買契約時とハウスメーカーや工務店に工事を依頼する際の2回に分けて行われるのが一般的です。
手付金の相場は契約代金の5~10%程度ですが、地域や売買相手によって異なることもあります。
諸費用
住宅ローンを組む際には、様々な諸費用がかかります(詳しくは「家を建てる時にかかる諸費用の内訳」で説明します)。
諸費用の相場は購入価格の3〜6%程度です。
家(注文住宅)を建てる時にかかる諸費用の内訳と目安
注文住宅を建てる際には、さまざまな諸費用が発生します。
これらの費用は土地や建物の購入費用に加えて必要となるので、事前に金額や支払い方法を理解しておきましょう。
仲介手数料
仲介手数料は、土地の購入を仲介してくれた不動産会社に支払う費用です。
仲介手数料は法律によって以下のように上限が決まっています。
| 売買価格 | 仲介手数料 |
| 200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
| 200万円超〜400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
| 400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
税金
家を建てる際に最初にかかる税金は不動産取得税と印紙税の2種類です。
不動産取得税は土地と建物のそれぞれに対してかかります。
| 不動産の種類 | 不動産取得税 |
| 土地 | 土地の価格×1/2×3% |
| 建物 | 建物の価格×3% |
※2027年3月31日まで
印紙税は以下のような書類を作成する際に貼る印紙代のことです。
- 不動産の売買契約書
- 住宅建築時の工事請負契約書
- 住宅ローン利用時の金銭消費貸借契約書
印紙税は書面に記載された契約金額によって、以下のように納税額が変わります。
| 記載された契約金額 | 納税額 |
| 1万円未満 | 非課税 |
| 10万円以下 | 200円 |
| 10万円を超え50万円以下 | 400円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1000円 |
| 100万円を超え500万円以下 | 2000円 |
| 500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
| 1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
| 5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
| 1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
| 5億円を超え10億円以下 | 20万円 |
| 10億円を超え50億円以下 | 40万円 |
| 50億円超 | 60万円 |
| 契約金額の記載なし | 200円 |
出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
登記費用
家を建てた場合は、特定の財産に対する権利を主張するために「登記」と呼ばれる手続きが必要になります。
登記をする際には「登録免許税」と、登記手続きを依頼する専門家(司法書士など)への報酬の支払いが必要です。
| 登記内容 | 登記費用 |
| 土地購入に伴う所有権移転登記 | 不動産価額の1.5% |
| 住宅新築に伴う所有権保存登記 | 不動産価額の0.15% |
| 住宅ローンの利用に伴う抵当権設定登記 | 不動産価額の0.1% |
※2027年3月31日までの軽減税率
出典:国税庁「登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」
司法書士への依頼費用の相場は3〜5万円程度です。
住宅ローン契約にかかる費用
住宅ローンの契約には以下のような諸費用がかかります。
| 内訳 | 手数料 |
| 融資手数料 | 借入金額の1〜3%程度 |
| 保証料 | 借入金額の0.5〜2%程度 |
| 火災保険・地震保険料 | 5年一括払いで20〜40万円程度 |
建築確認申請費用
建築確認申請費用とは、設計した住宅が建築基準法などの法令に合致した建物であるかどうかを確認する際にかかる費用です。
自治体や床面積によって費用は異なりますが、5〜10万円程度の費用が必要になることが多くなっています。
工事の準備費用
家を建てる場所によっては、地盤調査費用や地盤改良工事費用、水道・ガスの引き込み費用などがかかるケースもあります。
工事の種類や規模などによって金額は大きく変わります。
また地鎮祭・上棟式といった工事の安全を祈願する儀式に対する費用も必要です。
一般的に10〜20万円程度が相場と言われています。
3,000万円の家(新築一戸建て)を建てる場合の初期費用・諸費用のシミュレーション
3,000万円の土地を購入して、3000万円の建物を建てるケースでは、どのくらいの初期費用がかかるのか、シミュレーションしてみましょう。
| 項目 | 金額 |
| 頭金 | 6000万円×10%=600万円 |
| 手付金 | 3000万円×10%=300万円 |
| 仲介手数料 | (3000万円×3%+6万円)×1.1=105.6万円 |
| 不動産取得税 | 土地:3000万円×1/2×3%=45万円
建物:3000万円×3%=90万円 合計:135万円 |
| 印紙税 | 不動産の売買契約書:2万円
住宅建築時の工事請負契約書:2万円 住宅ローン(5400万円)利用時の金銭消費貸借契約書:6万円 合計:10万円 |
| 登記費用 | 所有権移転登記:3000万円×1.5%=45万円
所有権保存登記:3000万円×0.15%=4.5万円 抵当権設定登記:6000万円×0.1%=6万円 司法書士への依頼費用:5万円 合計:60.5万円 |
| 住宅ローン契約にかかる費用 | 融資手数料:5400万円×1%=54万円
保証料:5400万円×0.5%=27万円 火災保険・地震保険料:30万円 合計111万円 |
| 建築確認申請費用 | 10万円 |
| 地鎮祭・上棟式費用 | 10万円 |
| 合計 | 1342.1万円 |
このケースでは購入価格6000万円に対して1,342.1万円、つまり約22.4%の初期費用が必要になるとわかります。
家(注文住宅)を建てる時の初期費用を抑える方法
注文住宅を建てる際、初期費用が高額になることがありますが、以下のような工夫をすることで費用を抑えられるかもしれません。
仲介手数料を交渉する
土地の購入時に発生する仲介手数料は、金額が大きくなることがあり、削減する価値がある初期費用の一つです。
仲介手数料には法定の上限が設けられていますが、上限以下であれば売主との交渉が可能です。
また不動産会社を介さずに売主から直接土地を購入すれば、仲介手数料そのものを省くことができます。
注文住宅を建てる際に利用するハウスメーカーから土地を購入する方法も有効です。
ハウスメーカーが土地探しをサポートしたり、住宅とセットで販売しているケースもあり、トータルコストを抑えるチャンスがあります。
諸費用を住宅ローンに組み込む
以下のように一部の諸費用は住宅ローンに含めることができる場合もあります。
- 印紙税
- 登記手数料
- 火災保険料・地震保険料
- 仲介手数料
住宅ローンに組み込むとその分借入額や利息の負担は大きくなりますが、初期費用を抑えたい場合には検討してみるとよいでしょう。
保険の加入方法を工夫する
住宅を建てる際、火災保険や地震保険、団体信用生命保険などの保険料も初期費用の一部として考慮する必要があります。
これらの保険は長期的に支払うものであるため、削減できれば大きな節約効果を得られるでしょう。
たとえば、火災保険や地震保険では月払いよりも年払い、さらに5年一括払いの方が保険料総額を抑えられます。
また、自治体のハザードマップを確認し、水害や地震のリスクが低い地域では保障内容を最小限に絞ることを検討しても良いでしょう。
なお、団体信用生命保険については、金融機関が基本の保険料を負担してくれますが、特約付き団信に加入すると住宅ローンの金利に0.2〜0.5%程度上乗せされることがあります。
長期的な負担増を避けるためにも、本当に必要かどうかを慎重に判断しましょう。
専門家に支払う報酬を抑える
家を建てる際には、登記や調査などで司法書士や土地家屋調査士といった専門家への報酬が発生しますが、この費用も工夫次第で抑えられます。
施工を依頼する工務店やハウスメーカー、住宅ローンを利用する金融機関などが提携している専門家を紹介してもらうと、通常よりも割安な価格で手続きをしてもらえるかもしれません。
複数の見積もりを比較し、価格が適正で信頼できる専門家に依頼しましょう。
住宅ローンにかかる手数料を抑える
住宅ローンにかかる融資手数料や保証料を抑えるのも一つの方法です。融資手数料や保証料は金融機関によって大きく異なります。
融資手数料は借入れ金額にかかわらず一定額がかかる「定額型」と、借入れ金額に対して一定割合がかかる「定率型」の2種類があります。
借入れ金額に応じてどちらの方が有利になるのか、複数の金融機関を比較することで、初期費用を抑えやすくなるでしょう。
ただし、住宅ローンの返済負担に大きく関わるのは、基本的に諸費用ではなく金利です。
諸費用岳に目を向けるのではなく、トータルでの返済額がどのくらいになるのかを必ずシミュレーションしましょう。
まとめ
家を建てるときにかかる初期費用とは、土地や建物の契約から引き渡しまでの間に現金で支払う費用のことで、主に頭金と手付金、諸費用で成り立っています。
また、諸費用の中には、住宅ローンを利用する際の手数料や土地の仲介手数料、税金、登記費用など、さまざまな費用が含まれます。
統計では初期費用の平均は約30%となっていますが、それ以上の大きな金額がかかることもあるので、これから家を建てる人はどのくらいの初期費用が必要なのか、必ずシミュレーションをした上で、各種契約手続きを進めましょう。
初期費用を抑える方法や、初期費用を計画的に貯める方法など、家を建てる際のお金の悩みがある方は、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
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