この記事の要約はこちら
・母子家庭の平均的な生活費は約26万円
・母子家庭の生活費の内訳でもっとも多いのは食料費で20.4%を占めている
・母子家庭の平均年収は272万円
・シングルマザーの生活費を安定させるための手当・助成金・減免制度などがある
・家計改善や保険の見直しはファイナンシャルプランナー(FP)への相談が有効
シングルマザーとして生活する上で、毎月の生活費がどのくらいかかるのか気になる方は多いでしょう。
家賃・食費・教育費など、必要な支出は多岐にわたりますが、実際の平均額や内訳を知ることで、家計管理の参考になります。
さらに、公的支援制度を活用すれば、負担を軽減できる可能性も。
この記事では、シングルマザーの平均的な生活費や具体的な内訳に加え、利用できる支援制度について詳しく解説します。
有益な情報を得て、安心して生活を送るためのヒントにしてください。
シングルマザーの生活費の現状
シングルマザーの生活費は、家族構成や住んでいる地域によって大きく異なります。
家賃や教育費の負担が重く、収入とのバランスに悩む方も多いでしょう。
ここでは、シングルマザーの平均的な生活費の実態をデータとともに紹介します。
平均的な生活費は?
2021年に総務省統計局より発表された『2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果』によると、母子世帯(母親と18歳未満の未婚の子供の世帯)の実収入は、261,587円と報告されています。
ちなみに夫婦と未婚の子供(長子が高校生まで)がいる世帯の実収入は543,373円です。
子どもの年齢や雇用形態によっても違いがありますが、シングルマザーの生活費は、一般的な家庭の約1/2しかないことがわかります。
厚生労働省の発表した『2019年国民生活基礎調査の概況』では、所得の種類別の状況が下記のように報告されています。

画像引用:厚生労働省 2019年国民生活基礎調査の概況「所得の種類別の状況」
母子世帯の平均所得金額は、児童のいる一般世帯よりもはるかに低くなっているのが特徴です。
2つの調査では、シングルマザーの家庭が生活費の捻出に苦労していることがわかる結果が報告されています。
生活費の内訳は?
シングルマザーの生活費の内訳を、総務省統計局の『2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果』から見てみましょう。

画像引用:総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果
| 項目 | 母子世帯 | 一般世帯 |
| 実収入の金額 | 261,587円 | 543,373円 |
| 食料(外食は除く) | 20.4% | 20.5% |
| 外食 | 5.8% | 6.4% |
| 住居 | 14.6% | 7.0% |
| 光熱・水道 | 7.7% | 6.6% |
| 被服及び履物 | 4.5% | 4.8% |
| 交通・通信 | 16.0% | 15.4% |
| 教育 | 4.6% | 7.0% |
| 教養娯楽 | 7.9% | 10.0% |
| その他消費支出 | 10.1% | 12.0% |
| 交際費 | 1.9% | 2.9% |
参考:総務省統計局 2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果より作成
シングルマザーの家庭でもっとも支出の割合が大きいのは「食料」です。
また一般家庭に比べて、住居費の割合が高いのも特徴といえるでしょう。
養育費をしっかりと受け取れていれば多少は足しになるものの、シングルマザーの生活費が厳しい状況であることは間違いありません。
シングルマザーの生活費・お財布事情
前項でご紹介した、総務省統計局と厚生労働省の調査で、シングルマザーが生活費において厳しい現状に直面していることがわかりました。
ここではシングルマザーの生活費はもちろん、年収や就労状況、貯蓄額などのお財布事情についてご紹介します。
シングルマザーの年収
厚生労働省が実施した『令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果』では、令和2年の母子家庭の平均年間収入は2,720,000万円と報告されています。

参考:厚生労働省 令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果 「母子世帯の母の年間就労収入の構成割合」より作成
この調査結果からは、シングルマザーの年収は、3,000,000円未満が7割を超えていることがわかります。
同じひとり親家庭でも、父子家庭の場合の年収は、平均で5,180,000円です。
世帯の平均年間収入( 373 万円)は、国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得を100として比較すると、 45.9 となっています。
上記の現実を踏まえると、シングルマザーの年収がいかに厳しい状況であるかがわかる結果といえるでしょう。
シングルマザーの就業状況
シングルマザーは86.3%の人が就業しています。

この調査で分かることは、シングルマザーの正規の職員・従業員の割合が半数にも満たないことです。
パート・アルバイト等の非正規雇用が38.8%、派遣社員が3.6%となっており、非正規雇用の割合が依然として高い状況になっています。
仕事をしなければ生活ができないのは当たり前ですが、特に子どもが小さい場合、急な休みへの対応や残業ができないなどの課題を抱えていると、正規の職員・従業員として働きにくいという実態が隠れているのです。
同じひとり親家庭でも、父子家庭の場合は正規の職員・従業員の割合は69.9%となっています。
シングルマザーの就業形態は、依然として非正規の割合が高いことが証明されたといえるでしょう。
シングルマザーの貯蓄額
シングルマザーにとって、貯蓄は将来の安心につながる重要な要素ですが、実際には十分な貯蓄ができていないケースも少なくありません。

参考:厚生労働省 令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果「母子世帯の母の預貯金額」作成
厚生労働省の『令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果』によると、約50%の家庭が100万円以下、200万円以下は60%近い家庭が該当すると報告されています。
2016年の国民生活基礎調査では、全世帯の平均貯蓄額は1,033.1万円です。
調査された時期がずれているので、若干の誤差は生じますが、シングルマザーの家庭における貯蓄の難しさがわかる結果となっています。
シングルマザーを支援する制度
シングルマザーが安心して生活を送るためには、公的な支援制度の活用が欠かせません。
ここでは、シングルマザーが利用できる主な支援制度について解説し、経済的な負担を軽減するための具体的なサポート内容を紹介します。
手当・助成金
シングルマザーが受けられる手当や助成金は複数あります。
| 支援制度名 | 内容・目的 |
| 児童扶養手当 | ひとり親家庭の子どもを養育する親に支給される手当 |
| 母子家庭等医療費助成 | 母子家庭や父子家庭の医療費の負担軽減 |
| 児童手当 | 子どもの養育に対する支援 |
| 生活保護 | 生活が困窮している世帯への最低限の生活保障 |
| ひとり親家庭等支援給付金 | 低所得のひとり親家庭に対する一時金の支給 |
| 育児休業給付金 | ひとり親が育児のために休業する際に支給される給付金 |
| 特別児童扶養手当 | 一定の障がいがある子どもを養育している家庭に支給される手当 |
参考:子ども家庭庁 ひとり親家庭等関係より作成
シングルマザーが受けられる手当・助成金に関する注意点は、2つあります。
一般的には、自治体の役所(市役所・区役所など)にひとり親支援を担当する部署がありますので、相談に行くことで申請の手続き方法や受給可能な手当などについて知ることが可能です。
育児・家事・仕事に追われている人が多いと思いますが、受けていない手当や助成金があれば、ぜひ一度相談に行ってみてください。
割引・減免制度
シングルマザーの生活を支える割引や減免制度もあります。
| 制度名 | 内容・目的 |
| 公営住宅優遇制度 | ひとり親家庭向けに 賃貸住宅の優先入居・家賃の軽減 |
| 就学援助制度 | 学用品・給食費・通学費など 子どもの教育に必要な費用の一部を助成 |
| 保育料軽減制度 | 低所得の家庭の子どもの保育料を 軽減するための支援 |
| 住民税・所得税の減免 | 所得が低いひとり親家庭に対する税金の減免 |
| 国民健康保険・国民年金の免除 | 収入が低い場合や生活が困難な状況に ある場合に免除が受けられる |
| 上下水道料金の減免 | 水道代の一部を軽減 |
参考:ひとり親家庭等関係|こども家庭庁より筆者作成
割引や減免制度も、自治体によって基準や条件が異なります。
また、各自治体独自の制度を設けている場合もあるため、居住する自治体で必ず確認をするようにしましょう。
所得制限が設けられている場合もあるため、自分が該当するかどうかをチェックしてみてください。
シングルマザーが生活費を安定させるためのポイントとは?
さまざまな調査の結果を見ると、シングルマザーの生活費は非常に困難な状態であることがわかります。
シングルマザーが生活費を安定させるためのポイントとは、どのようなことなのでしょうか?
5つのポイントをピックアップして解説します。
・生活費を節約する
・公的支援制度をフル活用する
・養育費の請求を行う
・ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する
収入を上げる
シングルマザーの生活費を安定させるためには、収入を上げることが重要なポイントです。
収入を上げると言っても、現状維持ではなかなか難しいのではないでしょうか?
その場合は以下のような方法を考えましょう。
- 正規の職員・従業員を目指す
- 副業でプラスαの収入を得る
子どもが小さい場合には、副業などは難しいかもしれませんので、まずは、社会保険に入れる正規の職員・従業員になり、保障や収入を安定させることを目標にしてください。
国民保険料や国民年金よりも、社会保険の方が負担額の少なく、将来的にも安心です。
また、前項でご紹介した手当や助成金、減免制度などをしっかりとチェックし、自分の受けることができる制度をフル活用することを忘れないようにしましょう。
生活費を節約する
シングルマザーの生活費は、節約がうまくいくかどうかもポイントになります。
収入を上げることが厳しい状況であれば、支出を抑えることが重要です。
具体的には以下の方法が有効です。
- 家計簿をつけて収支を可視化する
- 固定費を削減する
特に、収支を可視化することは、無駄を省くためにも必要な過程といえます。
現在ではレシートを撮影するだけで家計簿がつけられるアプリなどもありますので、自分に合った方法で挑戦してみましょう。
固定費とは、毎月一定額が支払われる費用のことで、シングルマザーの生活費内訳でも16%を占めている通信費などが該当します。
家賃の見直しなども有効ですが、引っ越しなどは難しいという場合、インターネットや携帯電話代、保険料などの固定費から見直してみましょう。
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公的支援制度をフル活用する
シングルマザーの生活費を安定させるためには、公的支援制度をフル活用することを忘れないでください。
前項でご紹介した『シングルマザーを支援する制度』には、多くの制度があります。
大切なことは、自分の居住する自治体の制度をきちんと理解することです。
制度の内容や受給条件、種類は各自治体によって異なります。
また、多くの制度は申請が必要なため、『条件に該当するから自動的に支給される』というものではありません。
わからないことがある場合は、自治体のホームページなどで確認をするか、担当部署へ直接出向いて確認すると良いでしょう。
思わぬ制度が見つかったり、制度に変更があって『今までは受けられなかったけどこれからは該当する』など、状況が変化することも考えられます。
情報収集をしっかりと行い、使える制度・もらえるお金はしっかり手続きをすることが重要です。
養育費の請求を行う
シングルマザーのなかには、養育費をもらっていない人も少なくありません。
連絡を取りたくない、あるいは取れない場合もあるため、一概には言えませんが、できる限り養育費を払ってもらえるように請求を行うのも一つの方法です。
本来は離婚をする際に公正証書を作成しておくことがベストですが、離婚後に請求することもできます。
こども家庭庁では、ひとり親家庭の養育費確保を支援するため、以下の取り組みを実施しています。
離婚時に決めることができなかった、もしくは法的効力のない取り決めを行った場合でも、改めて請求することは可能なため、諦めずに法テラスなどへ相談をしてみましょう。
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ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する
「お金の管理が苦手」「どうしても生活が改善しない」という場合は、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談をしてみましょう。
以下のような、シングルマザーの生活費に関するアドバイスを受けられます。
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談は無料でできることが多いため、早い段階で相談に行くことがおすすめです。
自分では気がつけなかった改善策やアドバイスを教えてくれるでしょう。
シングルマザーの生活費に関するよくある質問
ここでは、シングルマザーの生活費に関するよくある質問と回答をご紹介します。
Q・子どもの教育費はどれくらいかかる?
Q・シングルマザーでも無理なく貯金する方法は?
Q・シングルマザーの保険見直しは必要?
Q・正社員とパート・アルバイトでは、どちらが生活しやすい?
シングルマザーが正社員とパート・アルバイトのどちらが生活しやすいかは、家庭の状況や優先する点により異なります。
正社員の場合、安定した収入と社会保険があり、将来の生活保障が手厚い一方、勤務時間が長く、育児との両立が難しくなることがあるでしょう。
パートやアルバイトは、勤務時間を柔軟に調整でき、育児とのバランスが取りやすいですが、収入が不安定なのが特徴です。
自分の収入の安定性やライフスタイルに合わせて、最適な働き方を選ぶことが大切です。
Q・子どもの教育費はどれくらいかかる?
子どもの教育費は、家庭の状況や子どもの進学先によって大きく異なります。
ちなみに、文部科学省が発表した学習費の総額は下記のように報告されています。

画像引用: 文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果について
学校の学費以外にも、塾や習い事などの教育関連費用が必要となり、総額はさらに増えることも考えられます。
子どもが成長するにつれ、教育費は増加していくため、早期からの計画的な貯蓄が重要です。
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Q・シングルマザーでも無理なく貯金する方法は?
シングルマザーでも無理なく貯金をするためには、自分に合った方法を見つけることです。
先取り貯金や資産運用などが考えられますが、まずは現状の収入と支出を把握し、無駄な支出を減らすことから始めましょう。
節約できる支出を削減した上で、毎月一定額を『先取り貯金』として自動的に貯金口座に振り分ける方法が効果的です。
Q・シングルマザーの保険見直しは必要?
シングルマザーこそ保険の見直しは必要です。
家計の負担を軽減し、必要な保障を確保するためには、ライフステージや家庭の状況に合わせた保険選びがポイントです。
過剰な保障を避けて、無駄な保険料を減らし、必要最低限の保障を選ぶためには、ぜひファイナンシャルプランナー(FP)に相談をしてください。
定期的に保険の内容をチェックし、生活に合った保障を確保することが重要です。
まとめ
シングルマザーの生活費の実態は、決して楽ではありません。
ただし、安定させるための支援策や制度があり、自分で収入を上げるなどの方法をとることも可能です。
情報収集をしっかりと行い、少しでも改善できるように動いてみましょう。
固定費でもある保険の見直しも有効な方法です。
ただし、保険は難しくてわからない、自分の選択に自信がないという場合は、保険の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。
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