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・新NISAは貯金の代わりにならない
・貯金は元本保証があるがインフレに弱い
・新NISAは高い利回りに期待できるが、元本割れの可能性がある
・貯蓄に余裕のある人や、長期投資をする予定の人は新NISAを貯金代わりに活用するのもあり
NISAのつみたて投資枠を活用すると、毎月コツコツと投資信託の積立ができます。
将来に向けて少しずつお金を積み立てられるという点や先取り貯蓄ができる点など、一般的な貯金と共通する部分も多いので、貯金代わりに利用しようと考えている人もいるかもしれません。
しかし、NISAと貯金は本質的に異なるものなので、基本的にNISAを貯金代わりにすることはできません。
この記事では、NISAと貯金の違いや、NISAを貯金代わりに活用することは可能なのかを解説します。
この記事の目次
NISA(つみたて投資枠)は基本的に貯金の代わりにならない!何が違う?
NISAと貯金には以下のように大きな違いがあります。そのため、NISAを貯金代わりに使うことは基本的におすすめできません。
| NISA(つみたて投資枠) | 貯金 | |
| 目的 | お金を増やす | お金を守る |
| 元本保証 | なし | あり |
| 利回り | 高い利回りも狙える | 低い |
| 税金 | 非課税 | 課税対象 |
| インフレへの対応 | 可能 | 不可 |
| 運用手数料 | 信託報酬がかかる | かからない |
NISAと貯金は目的に合わせて使い分けましょう。
違い①目的
NISAは投資をする際に活用できる制度の一つであり、お金を増やすことを主な目的としています。
一方、貯金はお金を蓄えることを主な目的としており、どちらかといえば安全に資産形成することに重点を置いているものです。
そのため、NISAは当面使わない予定のお金を運用するのに向いています。
貯金は緊急の出費への備えや、教育費用や住宅購入費用など、近い将来使う予定のあるお金を運用するのに向いているでしょう。
違い②元本保証
新NISAで取り扱う商品は投資商品となるため、元本保証がありません。
そのため、市場状況によっては元本が大幅に割れてしまう可能性があります。
とくに市場では数十年に一度は大暴落が発生しています。
近年ではコロナショックやリーマンショックなどが記憶に残っている人もいることでしょう。
このような暴落が来た際に、資産の大半を失ってしまった人も少なくありません。
一方、貯金は元本が保証されているため、元本割れを起こすことがありません。
ただし、預け先の銀行が破綻した場合は一定額までしか保護を受けられない可能性があります。
違い③期待できる利回り
NISA(つみたて投資枠)の投資対象である投資信託は、長期間運用することで2~8%程度の利回りが期待できます。
画像引用:金融庁 はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック
仮に毎月の積立額を3万円、年間リターンを4%で30年間運用した場合の最終資産額は約2,080万円になります。
元本1,080万円に対しほぼ2倍近く資産が増える計算です。
画像引用:金融庁 つみたてシュミレーター
一方、貯金の場合、NISAほどの利回りは見込めません。
2024年10月末時点で、メガバンクの普通預金金利は0.1%です。
以前と比べて金利は上昇傾向にあるものの、それでも多くの利子には期待できないでしょう。
仮に100万円を金利0.1%で預けたとしても、1年後に受け取れる利息は1,000円です。
元本保証がされている反面、預けていてもほとんど資金が増えないことを考慮すると、貯金だけで資産形成を行うのは効率的でないと感じてしまう人もいるかもしれません。
違い④利子・利益にかかる税金
新NISAは非課税で運用できるメリットがあります。
本来であれば運用益に対して約20%の税金が発生しますが、これがすべて非課税になるのです。
短期的にみれば大きな違いは把握しにくいですが、長期運用した場合に最終資産額に大きな影響を与えます。
たとえば、年利5%で運用する場合、通常であれば税金が発生するため実質利回りは4%になります。
しかし、新NISAであればそのまま年利5%のままで運用することが可能です。
仮に毎月の積立額を2万円、年間リターンを4%で30年間運用した場合の最終資産総額は約1,390万円。
一方の5%であれば最終資産総額は約1,670万円まで増える計算です。
| 30年運用した場合の最終資産総額 | |
| 年利4% | 約1,390万円 |
| 年利5% | 約1,670万円 |
一方、預金の利子には約20%が課税されます。
ただでさえ少ない利子から税金が差し引かれるため、手元に残るお金はごく少額になってしまうかもしれません。
違い⑤インフレへの対応
新NISAで「株式を主な投資対象とする投資信託」に投資する場合はインフレに対応しやすくなります。
インフレとは物価が継続的に上昇することです。
企業はインフレ時に自社商品を値上げするため、売上や利益が増加しやすくなります。
このような企業の業績向上が、株価の上昇を後押しする要因となるのです。
NISAで投資をした場合、インフレが進むとリターンも増える可能性があります。
一方、貯金はインフレに弱い性質を持ちます。
たとえば、これまで100円で購入していた商品が、インフレの影響で10年後に200円まで上昇したとしましょう。
このケースでは、同じ商品を購入するために2倍の金額が必要になるのです。
このように、10年や20年と長期間にわたって貯金をしても、インフレが進行すると貯めた金額の実質的な価値が目減りしてしまいます。
違い⑥手数料
NISA(つみたて投資枠)で購入できる投資信託では「信託報酬」と呼ばれる、手数料が日々発生します。
これは、専門家に投資信託の管理や運用をしてもらう際にかかる費用です。
一方、預金の場合は取扱手数料などは基本的にかかりません。
NISAを貯金代わりに使っても良いケース
先述したとおり、根本的な特徴に違いがあるため、NISAを貯金代わりにすることはできません。
しかし、以下の特徴が当てはまる人は貯金代わりにNISAを活用してみてもよいでしょう。
・20年以上の長期運用ができる人
NISAを貯金代わりに活用する場合、ライフイベントに必要な貯金がすでに十分にあることが重要です。
結婚、出産、住宅購入、子どもの教育資金、医療費、老後資金など、大きなライフイベントに備える資金が手元にあれば、万が一NISAで失敗しても、生活に悪影響を及ぼす可能性は少ないでしょう。
また、NISAでは長期的に運用することで、元本割れするリスクが少なくなる傾向があります。
一時的に値下がりしても「値上がりするまで待てばいい」といった気持ちで向き合うことができるでしょう。
貯金代わりに利用できる金融商品
新NISAよりも、貯金の代わりに活用しやすい金融商品はあります。
個人向け国債
個人向け国債は、国が発行する債券です。
定期的に利子を受け取ることができ、満期まで保有すると投資金額が戻ってくるため、安全性が高いとされています。
最低金利が保証されており途中解約も可能なので、将来のライフイベントに備える貯蓄などに活用できます。
貯蓄型生命保険
貯蓄型生命保険は、保険の機能と貯蓄の機能を兼ね備えた金融商品です。
特に終身保険や養老保険といったタイプでは、一定の期間を経過すると支払った保険料以上の解約返戻金・満期保険金を受け取ることが可能な商品もあります。
保険料払込期間中に解約すると元本割れするリスクはありますが、保険会社が運用リスクを負うため、安定した運用に期待できる商品です。
終身保険
終身保険とは、死亡保障が一生涯続く保険商品のことです。
契約者(親)が病気や事故で亡くなったり働けなくなったりした際に、保険金が支払われます。
また、終身保険は解約時に解約返戻金を受け取れることが一般的で、この返戻金を教育資金や老後資金に充てる人も多いです。
終身保険を活用する主なメリットは次の2つです。
・万が一に備えながら資産形成ができる
・生命保険料控除の対象である
ただし、早期で解約してしまうとこれまで払い込んできた掛金よりも少ない解約返戻金になってしまう点に注意が必要です。
個人年金保険
個人年金保険とは、1万円や2万円などあらかじめ設定した保険料を毎月支払い、積み立てた資金で将来の年金原資をつくる保険商品です。
60歳や65歳など設定した年齢に達すると、年金として保険金が支払われる仕組みです。
この個人年金保険は、公的年金の上乗せ部分として多くの人に利用されています。
個人年金保険のメリットは主に次の2つです。
・自動的に老後資金を貯められる
・生命保険料控除の対象である
老後資金の準備を進めている人のなかには、教育資金や介護費用などを優先してしまい、老後資金を後回しにしてしまうことも多いでしょう。
個人年金保険であれば毎月口座から掛金が引き落とされるため、自動的に老後資金を準備できます。
ただし、個人年金保険はあらかじめ受け取れる金額が決まっているため、インフレに弱い性質があります。
個人年金保険については、こちらの記事で解説をしています。
個人年金保険と新NISAどちらを選べばいい?それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説!
学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を準備していくことを目的につくられた生命保険です。
あらかじめ設定した期間(たとえば、子どもが18歳になるまで)まで保険料を支払うことで、満期保険金が受け取れます。
学資保険のメリットは下記のとおりです。
・契約者(親)が亡くなったり働けなくなったりした場合、今後の保険料の支払いが不要となり、将来の満期保険金を受け取れる
ただし、こちらの商品もインフレに弱い特性であることや、早期で解約した場合に元本割れを起こしてしまうといったデメリットがあります。
資産形成を進める際にはFPに相談を!
NISAと貯金にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。
そのため、基本的にはNISAを貯金の代わりに利用するのは避けた方が良いでしょう。
一定額の貯金ができた後に、余裕資金でNISAに取り組むのがおすすめです。
もし、自身が新NISAを活用すべきか、貯金のみで貯めていくべきか、あるいは別の商品を活用すべきか判断できない場合は、お金の専門家であるFPに相談することをおすすめします。
マネーキャリアでは、新NISAを始めとしたお金の相談が何でも可能です。
この機会にせひ相談してみてはいかがでしょうか。
参考:【初心者向け】
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