この記事の要約はこちら
・定期預金は預入期間があらかじめ決められている預金方法。
・1カ月、3カ月といった短期間のものから5年、10年という長期間のものまで種類が多い。
・満期時に自動的に解約する方法と、自動的に継続する方法がある。
・定期預金はいつ何にいくら必要かが明確なライフイベントを貯めるのに向いている。
・定期預金にもメリットとデメリットがあるが、低金利時代ではメリットがあまり感じられないため、わざわざ定期預金を選ぶ意味がなくなってしまう。
定期預金は意味がないと言われることがありますが、それはなぜなのでしょうか。
定期預金にはデメリットだけでなくメリットもあるはずです。
そこで、この記事では、定期預金をしても意味がないと言われる原因に触れたうえで、定期預金をうまく活用する方法や、定期預金よりもお金を増やせる方法などについても解説します。
定期預金に関心のある人はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
そもそも定期預金とは?
定期預金とは、文字通り預入期間があらかじめ定められている預金方法です。
選べる預入期間は金融機関によって異なりますが、1カ月、3カ月など短いものから、5年、10年といった長いものまで、さまざまな預入期間の設定ができます。
普通預金とは違い、最初に指定した期間まで預け入れたお金を引き出すことができない点には注意が必要です。
途中で預け入れたお金を引き出すためには、解約しなければなりません。
普通預金とは何が違う?
普通預金と定期預金の違いは、主に「金利」と「引き出しの自由度(流動性)」の2点です。
例えば、普通預金の金利が年0.2%程度であるのに対し、定期預金は年0.3%など、一般的に定期預金の方が普通預金よりも高く設定されています。
また、普通預金はATMや窓口でいつでも自由にお金を引き出せるのに対し、定期預金は一度預け入れると、定めた満期日が来るまで原則として引き出すことができません。どうしても途中で現金が必要になった場合は「中途解約」という手続きが必要になります。
定期預金の種類
定期預金には大きく分けて4つの種類があります。
「一般定期預金」「大口定期預金」「積立式定期預金」「期日指定定期預金」の4つです。
それぞれ次のような特徴があります。
・一般定期預金
・大口定期預金
・積立式定期預金
・期日指定定期預金
<一般定期預金>
一般定期預金とは、まとまったお金を一括で預けるタイプで、定期預金の最も一般的な形です。
金融機関によっては「スーパー定期」「スーパー定期300」などという名称で呼ばれます。
預入金額が300万円未満のものが「スーパー定期」、300万円以上のものが「スーパー定期300」です。
満期日を契約者が決められる満期日指定方式と、満期日があらかじめ指定されている定型方式があります。
<大口定期預金>
大口定期預金とは、預入額が1000万円以上と指定されている定期預金で、預入期間や満期日の指定などは一般定期預金と同様です。
一般定期預金よりも金利が高く設定されているため、不動産売買で利益を得た人や、退職によってまとまったお金を得た人などの預け入れ先として適しています。
<積立式定期預金>
積立式定期預金とは、毎月決まった日に決まった金額を普通預金口座から自動的にふりかえて自動的に積み立てていくタイプの定期預金です。
無理のない金額設定をすれば、意識しなくても楽にお金を貯められますが、毎月積み立てられる金額や、積立期間は金融機関ごとに異なります。
<期日指定定期預金>
期日指定定期預金とは、満期日を預け入れた後で指定できる定期預金です。
1年以上の据え置き期間は必要ですが、据置期間経過後は、必要なタイミングがわかった時点で引き出し希望日を指定して引き出すことができます。
最長預入期日は3年以内が一般的です。
満期後の選択肢
満期後の選択肢は「自動解約」「元金自動継続」「元利自動継続」の3種類から選べます。
それぞれ次のような特徴があります。
・自動解約
・元金自動継続
・元利自動継続
<自動解約>
自動解約を選択した場合は、満期が来た時点で、定期預金の元金と利息の合計金額が普通預金口座に入金されます。
満期日を境に普通預金口座に入金されるので、それ以降適用されるのは普通預金の利息です。
<元金自動継続>
元金自動継続を選択した場合は、満期時の利息のみ普通預金口座に入金され、元金は最初の預入時と同期間の定期預金として継続されます。
自動継続後に適用される定期預金金利は継続日の金利です。
<元利自動継続>
元利自動継続を選択した場合は、預入時の元金と満期時の利息を合わせた金額を元金とする同期間の定期預金として継続することになります。
自動継続後に適用される定期預金金利は継続日の金利です。
定期預金は「意味ない」「やめた方がいい」と言われる理由
定期預金のデメリットについて見ていきましょう。
デメリットとメリットを比較することで、「定期預金は意味がない」と言われる本当の原因がわかるかもしれません。
・お金を多く増やせない
・インフレの影響を受けやすい
・気軽にはお金を引き出せない
・上限を超えると保護されない
・自動継続を繰り返すと休眠預金とみなされる恐れがある
お金を大きく増やせない
超低金利だったころと比べると金利は徐々に上がってきましたが、2025年12月現在の定期預金の金利は0.2%~0.5%程度が一般的です。
それに対して、国債は、固定金利の3年満期のタイプが1.10%、固定金利の5年満期タイプが1.35%、変動金利型10年満期が1.23%となっています(2025年12月時点)。
ネットバンクには定期預金の金利をもっと高めに設定しているところもありますが、他の金融商品に比べると利回りは低いと言わざるを得ません。
リスクがあってもよければもっと大きく増やせる金融商品はいくらでもあります。
同じ金額を大きく増やしたいのであれば、定期預金を選ぶべきではないでしょう。
また、預入期間が1年未満の場合、表示されているのは年利ですから、提示されている通りの利息は付きません。
実際は日割り計算の利息が付与されるためです。
引き出す際には更に税金がかかるため、短期の定期預金ではほとんど増えないということになってしまいます。
インフレの影響を受けやすい
先述した通り、定期預金の金利は0.2〜0.5%程度が一般的です。仮に、100万円を金利0.2%の定期預金に1年間預けた場合、得られる利息は2,000円です。さらに、ここから約20%の税金が引かれるため、手元に残る利益はわずか1,600円程度にしかなりません。
一方、近年の日本では物価上昇が続いています。総務省が毎月発表している「消費者物価指数」によると、2025年11月時点での総合指数は前年同月比で2.9%上昇しています。これは100万円のものが102万9,000円出さないと買えなくなったということです。
つまり、定期預金に100万円預けると、1年間で1,600円増やしたつもりが、実際にはそのお金で買えるモノの量は減り、実質的に2万7,400円も損をしているのと同じことになってしまうのです。
気軽にはお金を引き出せない
普通預金の感覚では預けられないという点も定期預金のデメリットです。
普通預金は金利が低い代わりに、いつでも自由に出し入れできますが、定期預金は満期日までお金を引き出すことができません。
どうしても引き出さなければならない場合は、解約することになります。
気軽には引き出せないことを大きなデメリットだと感じる人は少なくないでしょう。
上限を超えると保護されない
定期預金はある程度まとまった金額を預け入れるのが普通で、特に大口定期の場合は1000万円以上と高額です。
定期預金は、預金保険制度(ペイオフ)の対象になっていますが、保護される金額には上限があります。
普通預金と同じ金融機関で定期預金をしている場合は、保護される金額の上限は両方の元本と利息を合わせた金額が1000万円までです。
上限を超えた分は保護されないという点をデメリットと感じる人もいるでしょう。
自動継続を繰り返すと休眠預金とみなされる恐れがある
引出しや預け入れなどの取引が10年間ない預金口座のことを「休眠預金」といいます。
貯蓄預金や外貨預金は対象外ですが、2019年以降は、休眠預金を預金保険機構に移管して、口座のお金を公益的な活動に活用できるようになりました。
ですから、定期預金をいつまでも解約せず、自動継続を繰り返していると、10年以上出し入れのない休眠預金口座とみなされてしまう危険性があります。
残高照会や記帳だけでは異動とみなさない金融機関もあるので要注意です。
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定期預金のメリット
まずは、定期預金のメリットを見ていきます。
主なメリットは次に挙げる5つです。
・元本保証がある
・強制的に貯める仕組みを作れる
・ライフプランに応じた預入期間を選べる
・余分な手数料がかからない
元本保証がある
定期預金のメリットは、預金保険制度(通称:ペイオフ)によって元本が保護されている点にあります。
預金保険制度とは、万が一預け先の金融機関が破綻してしまった場合でも、預金者1人あたり、1金融機関ごとに元本1,000万円までとその利息が保護されるという制度です。
投資信託や株式にはこのような元本保証の仕組みはありません。したがって、生活防衛資金(生活費の半年~1年分程度)や、使う時期が決まっている教育資金・住宅購入の頭金など「何があっても絶対に減らしたくないお金」を安全に保管しておく場所として適しています。
強制的に貯める仕組みを作れる
普通預金と違い、定期預金は満期まで原則として引き出せません。「手元にお金があるとつい使ってしまう」という方にとって、この流動性の低さは、逆に「強制的に貯蓄できる」というメリットになります。
特に、毎月決まった額を自動で積み立てる「積立式定期預金」を活用すれば、給料日に先取りで貯蓄する仕組みを簡単に作ることができ、着実に資産を貯めていくことが可能です。
ライフプランに応じた預入期間を選べる
預入期間の選択肢が多く、自分のライフプランや目的に応じた期間を選べる点は、定期預金のメリットです。
子供が進学するタイミングや、家をリフォームするタイミング、定年退職のタイミングなどに満期を合わせることができます。
何に使うか目的を決めたうえで定期預金を利用すれば、期間だけでなく預け入れる金額も決めやすくなるでしょう。
余分な手数料がかからない
投資型の金融商品は、購入時や保有期間中、売却時など、あらゆるタイミングで手数料が発生します。
たとえば、投資信託なら、購入時には購入時手数料、運用期間中は運用管理費用、監査報酬、売却時には売買委託手数料などがかかるという具合です。
その点、一般的な円建て定期預金なら、預け入れる時も満期後に引き出すときも手数料がかかりません。
中途解約する場合でも手数料がかからない場合がほとんどです。
定期預金をおすすめできないのはどんな人?
定期預金をおすすめできる人の特徴がわかったところで、今度はおすすめしない人についても見ていきましょう。
デメリットが大きいため定期預金はおすすめできないのは次のような人です。
・効率よく資産運用したい人
・流動性の良さを求める人
・効率よく運用したい人
効率よく資産運用したい人
定期預金の金利は、普通預金の金利よりはよいという程度です。
リスクは小さいものの、資産運用に利用するには金利が低く、運用効率も悪いので、お金を増やせる商品とは言いかねます。
資産をしっかり運用してお金を増やしていこうとするなら、他の金融商品を選んだ方がよいというのは明らかです。
限られた資産をしっかり運用したいという人には、定期預金はおすすめしません。
流動性の良さを求める人
定期預金は、一度お金を預けたら満期まで引き出せないという特徴があります。
定期預金に預けることで、動かしたいタイミングではお金を動かせなくなるということです。
自分の裁量で利益を増やすこともできないし、満期まで放置するしかありません。
まとまったお金が必要になる可能性がある人や、市場の動向に応じてお金を動かしたい人は定期預金を選ぶと後悔することになります。
効率よく運用したい人
定期預金には、自分の裁量でお金を動かせる余地がありません。
あらかじめ決まった期日まで預け入れたお金を放置しておくことになります。
しかし、投資の知識がある人なら、景気動向を見て、少しでもよい運用先にお金を動かしたくなるでしょう。
動かしづらい定期預金では、効率の良い運用ができません。
効率よく運用したいのであれば、出し入れや売買がしやすく、より金利の良い投資商品を選ぶべきでしょう。
定期預金をおすすめできるのはどんな人?
まずは、定期預金のメリットを大きく感じられるのはどのような人なのかを見ていきましょう。
定期預金をおすすめできるのは次のような人です。
・自分では計画的にお金を貯められない人
・利用目的と目標額を明確にしてお金を貯めたい人
自分では計画的にお金を貯められない人
定期預金は、預け入れたらあらかじめ設定した満期が来るまで引き出せなくなります。
これなら、手元にお金があると使ってしまう人も手を出せません。
また、積立式定期保険なら、毎月一定額を自動的に普通預金口座から定期預金口座に移す形で預け入れられるので、自分で預け入れるという工程が不要です。
自分では計画的にお金を貯められない人でも、決まった金額を預け入れ、満期日まで置いておくことができるので、勝手に貯まっていきます。
利用目的と目標額を明確にしてお金を貯めたい人
いつまでにいくら貯めないといった目的がはっきりしている場合は、それに合わせて預け入れる金額や満期日を決められます。
あらかじめ決めたタイミングまで引き出すことができないこともデメリットにはなりません。
確実に貯めることができるというメリットになります。
利用目的や目標額があらかじめはっきりと決まっている場合は、途中でそのお金を他のものに使おうとする確率は低いでしょう。
定期預金に入れておけば、途中で引き出すことができないため、目標額をあらかじめ決めたタイミングまで確実に確保しておけます。
定期預金よりもお金を増やせる?3つの金融商品
定期預金に預けても意味がないなら、定期預金以外の方法を選びたいという人も当然いるでしょう。
ここからは、そのような人に向け、定期預金よりもお金を増やせる金融商品についても触れておきます。
幅広い人が投資先として選びやすいのは次に挙げる3つです。
・個人向け国債
・投資信託
・外貨建て生命保険
個人向け国債
「投資は怖い、でも定期預金よりは少しでも増やしたい」という方に、まず初めにおすすめしたいの「個人向け国債(変動10年)」です。
日本国が発行する債券のため、信用リスクは低く、安全性が高い金融商品と言えます。国によって元本が保証されているため、満期を迎えると元本の償還を受けることが可能です。
大きな特徴は、半年ごとに適用金利が見直される「変動金利」を選択できる点です。インフレが進んで世の中の金利が上昇する局面では、連動して受け取れる利息も増える可能性があります。
また、発行から1年が経過すればいつでも中途換金が可能で、急にお金が必要になった場合にも対応できます。
投資信託
投資信託(ファンド)は、投資の専門家(運用会社など)にお金を預けて、代わりに運用してもらい、出資した割合に応じてリターンを受け取る仕組みの商品です。
一般的には、リスクを軽減する目的で、株式や債券などを組み合わせパッケージ化されています。
ファンドによってリスクの大きさが異なるので、自分のリスク許容度に応じた商品を選びましょう。
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外貨建て生命保険
現状では、利率は日本よりも外貨の方が高いので、資産を大きく増やせる可能性があります。
生命保険を利用すれば、万が一に備えながら資産を増やせるうえに、一定期間以上据え置けば、中途解約する場合でも定期預金よりも増えている可能性が高いです。
また、円高のときは外貨安、外貨高のときは円安になるので、資産のリスク分散を考えたうえでも有効と言えるでしょう。
元本保証はされていない点は注意点ですが、為替リスクや手数料について理解できていれば、選択肢として魅力的です。
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定期預金を選ぶときのチェックポイント
最後に、定期預金を選ぶ際のチェックポイントも押さえておきましょう。
どの銀行の定期預金を選ぶか、チェックすべきポイントは以下の5点です。
・金利の高さと適用期間
・変動金利か固定金利か
・預入期間をどうするか
・単利か複利か
・円建てか外貨建てか
金利の高さ
同じ金額を預けた場合、金利の高い方が増えやすいというのは当然です。
ただし、ただ単純に金利が高ければそれだけでよいわけではありません。
1つの金融機関であれば、普通預金と合わせて1000万円までの元金と破綻日までの利息しか保護されないため、金融機関の体力や信用度も考える必要があります。
また、キャンペーン等で一定期間だけ破格の高金利になっている場合もあるので注意が必要です。
いつまでその金利が適用されるのかもしっかり確認したうえで、どこが得なのかを比較するようにしましょう。
金利の種類
変動金利は、預入期間中、一定のタイミングで金利の見直しが行われます。
それに対して、固定金利は、預入時の金利が預入期間中ずっと適用され一定です。
市場の金利が下がる傾向が見られるなら固定金利、上がる傾向が見られるなら変動金利を選んだ方がよいでしょう。
しかし、預入期間の長いものはどちらを選んだ方がよいか判断しづらいので注意が必要です。
また、単利か複利かという違いもあります。
単利とは、当初の元本に対してのみ利息計算が行われるものです。
元本が変わらないため、固定金利の場合は、毎回受け取れる利子は同額になります。
それに対して、複利とは、元本とそれを運用することによって得られた利子についても利息計算が行われるものです。
元本+利子が次の元本となるため、受け取るたびに利子の金額が増えていきます。
同じ金額、同じ利息でも、単利を選ぶか複利を選ぶかによって、将来受け取れる金額が変わってくるため、この点についてもしっかり確認することが大事です。
預入期間
定期預金は、1カ月から10年の間でさまざまな期間を選べるようになっていますが、預入期間の選択肢は、金融機関ごとに異なります。
定期預金は預入期間の長い方が利率はよくなるので、いつまとまった費用が必要になるのかに応じて受け取り時期を設定するとよいでしょう。
まとまったお金が必要になるライフイベントを考え、ちょうど 良い時期まで預けておけるのはどこなのかをチェックするのがポイントです。
円建てか外貨建てか
定期預金には円建て以外に外貨建てもあります。
外貨建てとは、円で預けたものを外貨に両替し、外貨で運用するものです。
超低金利時代は少し抜けたものの、日本は決して金利が高いと言える状態ではありません。
外貨建ての方が利息は高く設定されているので、最終的な受取額を大きく増やせる可能性があるのは外貨建てということになるでしょう。
ただし、満期時に円で受け取ると、為替レートによっては目減りする可能性があることには注意が必要です。
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金融商品はライフプランや目的に合わせて選ぼう
意味がないと言われることもある定期預金ですが、活用の仕方によっては意味のあるものにできるかもしれません。
定期預金に限らず、資金運用のための手段はライフプランや目的に合わせて選ぶこと、組み合わせることが重要です。
大事なお金の預け先、運用方法などで迷ったときには、一人で悩まず、FPに相談してみることをおすすめします。
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