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・定期預金の解約は、原則契約者本人の手続きが必要。
・契約者本人が銀行への来店が難しい場合は、本人以外が解約できるケースもある。
・金融機関によって代理人が手続きできる条件や方法が異なるため、事前に定期預金を組んでいる銀行などに確認をする。
定期預金は普通預金と比べて金利が高い金融商品です。
しかし、万が一契約者が認知症などで手続きができなくなってしまった場合、そのご家族は「解約方法が分からない」「本人以外が手続きできるのか知りたい」と困ってしまうかもしれません。
本記事では、本人以外が定期預金を解約する方法や、必要書類・事前準備について解説します。
この記事の目次
定期預金は本人以外でも解約できる可能性もある
原則として、定期預金の解約には契約者本人の手続きが必要です。
ただし、次のような条件で銀行への来店が難しい場合は、本人以外が解約できるケースもあります。
- 病気や怪我などで入院している
- 単身赴任や海外赴任をしている
- 仕事や介護などで銀行の営業時間に来店できない事情がある
ただし、代理人が手続きを行う場合には、契約者本人が記入・署名をした「委任状」や、契約者本人が行う「代理人指名手続」などが必要です。
事前の手続きをせずに、代理人が直接窓口へ行って定期預金を解約することはできません。
また近年は詐欺防止の観点から、代理人の手続きではすぐに解約ができない場合もあります。
金融機関によって代理人が手続きできる条件や方法が異なるため、事前に定期預金を組んでいる銀行などに確認しておきましょう。
定期預金の本人以外の解約で必要な書類は?
定期預金を本人以外が解約する場合は、必要書類が多くなります。
金融機関によって異なりますが、こちらの章では委任状や代理人指名手続などを利用する際に、一般的に必要な書類を解説します。
本人以外が定期預金を解約する際に必要な書類
契約者本人以外が窓口で定期預金を解約するには、次の書類が必要です。
- 契約者本人の定期預金の通帳や証書
- 届出印
- 委任状
- 契約者本人の本人確認書類
- 代理人の本人確認書類
まず契約者本人の定期預金通帳や証書を忘れずに持っていきましょう。
届出印も大切な書類のひとつです。
届出印と異なる印鑑を持って行ってしまった場合は、委任状があっても手続きができないためご注意ください。
委任状には、作成日、本人と代理人の情報、委任する手続き内容などを「契約者本人」が記入します。
委任状のフォーマットが決まっている金融機関もあるため、事前にホームページや窓口で確認しておきましょう。
金融機関によっては、委任状を持参する場合でも契約者本人の本人確認書類が必要な場合もあります。
代理人の本人確認書類も忘れずにご持参ください。
代理人指名手続の申し込み時に必要な書類
代理人手続きを行う場合には、契約者本人が窓口で「代理人指名手続」をします。
申し込みの際には、次の書類が必要です。
- 契約者本人の本人確認書類
- 届出印
- 通帳またはキャッシュカード
金融機関によっては代理人との続柄が確認できる書類が必要な場合もあります。
親が認知症の場合、定期預金は解約できるのか?
金融機関では、契約者本人が認知症であると認められた場合には、「判断能力が著しく低下する」などの理由から口座を凍結します。
そのため、定期預金の解約は基本的にできなくなります。
ご家族の口座が凍結されてしまった場合の対処法として、成年後見人制度があります。
成年後見人制度とは、後見人が契約者本人に代わって財産の管理を行うことです。
ただし、成年後見人制度でご家族が後見人になった場合には、定期預金の解約が行える場合もありますが、引き出したお金を運用したりすることはできません。
また成年後見人制度の利用には費用がかかることや、後見人の決定までに数ヵ月かかることにも注意が必要です。
金融機関によっては、ご家族が成年後見人制度を利用していない場合でも、本人の生活費や介護費用などの目的であれば出金できることもあります。
その場合は、本人の診断書や医療費などが分かる書類の提出が求められることが多いようです。
ただし、銀行員との面談などで審査に時間がかかることや、必ずしも解約に対応してもらえるわけではないことに留意しましょう。
契約者本人が認知症になる前にできることは?
認知症などで口座凍結をされてしまう前にできる対策として「家族信託契約」と「任意後見契約」があります。
こちらの章で詳しくご紹介するので、あらかじめ確認しておきましょう。
家族信託契約
家族信託契約は、認知症を発症する前に、ご家族などに本人の財産の管理、不動産の売買契約などができる権利を渡す契約のことです。
家族信託契約をすることにより、成年後見制度を利用せずに生活費や介護費を引き出して使用できます。
家族信託契約のメリットは、本人が信頼できる人に依頼をできることや、契約に重きが置かれている点です。
たとえば、契約内容に含めることで契約者が資産運用などもできます。
また家族信託契約には初期費用が数十万円かかりますが、成年後見制度と異なり、毎月の報酬にかかる費用が発生しないため出費を抑えられます。
ただし、認知症を発症してしまった場合には契約ができなくなる可能性もあります。
希望される方は、認知症になる前に検討や準備が必要です。
任意後見契約
成年後見制度には、認知症などですでに判断能力が不十分な場合に利用する「法定後見制度」と認知症発症前に「任意後見制度」の2種類があります。
任意後見制度は、本人に判断能力がある段階で、本人が信頼できる任意後見人を指名し、契約を結んでおく制度です。
任意後見制度のメリットは、家庭裁判所によって後見人が決定される法定後見制度と異なり、本人が後見人を選任できることです。
後見人には、ご家族や弁護士などが選ばれることがあります。
また、任意後見人に依頼する内容も設定でき、その通りに支援がされているか監視する任意後見監督人も選任されます。
一方で、任意後見制度では、本人の生活費や介護費用など必要最低限の財産管理しか行えないことがデメリットです。
また初期費用や毎月2万円~6万円ほどの報酬などの費用もかかります。
手続きにも数ヵ月かかるため、余裕を持って準備をする必要があるでしょう。
定期預金の解約方法は3つ
定期預金の解約方法は3つあります。
それぞれの仕組みや実際の解約方法を詳しく見ていきましょう。
満期解約
満期解約とは、定期預金が一定の期限である満期を迎えた場合の解約方法です。
満期解約では解約に関する特別な手続きは必要なく、満期日に元金と利息が自動的に普通預金に入金されます。
ただし、満期解約をしたい場合は定期預金を「自動解約型」に設定しておく必要があります。
「自動継続型」を選択していると、満期日を迎えた際に解約ではなく同じ条件で定期預金が継続されてしまうので注意しましょう。
解約予約
解約予約とは「自動継続型」の定期預金を組んでいる場合に、次の満期日に解約するための予約です。
満期解約でも説明した通り「自動継続型」では、満期日に解約がされず自動継続されてしまいます。
しかし、満期日前に解約予約の手続きをすることで、満期日に解約が可能です。
自動継続の更新を停止する扱いのため、中途解約にはならず、金利が下がることもありません。
中途解約
中途解約とは、満期日を迎える前に定期預金を解約する方法です。
定期預金は満期日まで預け入れることを条件に、普通預金よりも高い金利が設定されています。
そのため、中途解約をしてしまうと、満期日を迎える場合と比べて低い金利となることがほとんどです。
また銀行によっては、そもそも中途解約ができない場合もあることに留意しておきましょう。
定期預金の解約に関するQ&A
こちらの章では、定期預金の解約に関してよくある質問にお答えします。
解約に手数料はかかるの?
基本的には定期預金の解約時に手数料はかかりません。
ただし、定期預金を中途解約する場合は、契約時の適用利率よりも金利が低くなる可能性があります。
利率は定期預金を預けた機関などによって、金融機関ごとに計算されます。
定期預金は元本保証のため、預け入れた金額より減ることはありません。
定期預金はATMでも解約できる?
定期預金はATMで解約できるかどうかは、銀行によって異なります。
詳しくは、定期預金を契約している銀行に必ずご確認ください。
ここでは、ゆうちょ、みずほ銀行、三菱UFJ銀行について解説します。
ゆうちょ
ゆうちょ銀行では、定期貯金の解約を郵便局または郵貯の銀行の窓口で行うとされています。
ATMからは定期貯金の解約の手続きができないため注意しましょう。
定期預金の解約に必要な書類は次の通りです。
●定期預金の通帳や証書
●届出印
●本人確認書類
みずほ銀行
みずほ銀行では、総合口座の定期預金であれば、ATMで定期預金の解約予約や満期日当日の解約ができます。
必要な持ち物は次の通りです。
●総合口座普通預金のキャッシュカード
●通帳
ただし、解約可能な限度額は1回につき元金300万円となっているため注意しましょう。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行では、総合口座契約がされている定期預金のみ、ATMでの解約ができます。
定期預金をATMで解約する際に必要な持ち物は次の通りです。
●総合口座普通預金のキャッシュカード
●総合口座通帳(総合口座契約をしている場合は、個別の定期預金通帳も利用可能)
定期預金1口座あたりの1日の取引限度額は、元本合計100万円以内となっています。
まとめ
定期預金を契約者本人以外が解約する場合には、委任状や代理人指名手続が必要です。
本人以外が定期預金を解約できる条件や方法は金融機関によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
契約者が万が一認知症になってしまった場合には、成年後見制度などを利用して財産の管理を行います。
契約には費用や時間がかかるため、あらかじめ本人やご家族で話し合っておき、本人にとって最適な方法を見つけましょう。
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